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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


「抱きてぇ。どうしようもねぇくらい…抱きてぇに決まってんだろ」


言ったら追い込んじまうと思ってた
だから言わなかった


だけど本心を言った方がみさきは安心すんのかもしれねぇ


「けど俺は、怖がってるみさきを自分本位に抱きてぇんじゃなくて、俺とならそうなってもいいって思えたみさきを抱きてぇ」

 



「…………てる……」

「ん?」

「……いいって思ってる。青峰君とならそうなってもいいって今も思ってるよ。だけど…青峰君のこと大好きなのに、何でかわかんないけどまだできなくて…」

目にめちゃくちゃ涙溜めて泣きそうなのに、伝えてくれたみさきの気持ちがすげぇ嬉しかった。


俺とそうなってもいいって思ってくれてんだな…
だったら尚更焦らせたくねぇ

“そうなってもいい”から“そうなりてぇ”に変わるまでSEXなんてしなくていい


「お前が今そう思ってくれてるだけでいい。怖いって気持ちより俺とそうなりてぇって気持ちの方がデカくなったら抱かせろ。けど焦らなくていいし無理にそう思い込まなくていい。ゆっくり自然にそう思えたらでいい」

「……3年とかかかっても?」

「死ぬまでできなくても別にいい。けどもうそれで悩むな。SEXできなきゃ付き合えねぇのか?」

「そうじゃないけど…普通じゃないとは思ってる」

「普通だ。俺とお前の関係はそれが普通だ。他の奴らは関係ねぇだろ?俺とお前の関係は俺とお前だけのもんだ。他の誰かの常識とか普通を当てはめようとするな」


俺は付き合う前から別にできなくていいと思ってきた。
普通なんてのはそれぞれの基準であって、SEXなんてのは究極のプライベートなんだから、他人にごちゃごちゃ言われてそいつの普通って価値観を押し付けられることじゃねぇ。


俺とみさきのSEXのことは俺とみさきで決める


「……もし、あたしが……不感症だったら……?」

みさきはあの時言われた言葉をいろいろ気にしてるってのはあの時の話し方でなんとなく分かったし、玲子サンからも火神からも聞いてた。

殺されるかも知れねぇって極限状態だったにも関わらず覚えてるのは、その言葉がそれだけみさきにとって重いものだった訳で
多分みさきがSEXに踏み切れねぇ理由の一つは、不感症って言われたことでできたトラウマ

けど、何人もの男にいきなり襲われて感じろなんて無理に決まってんだろ
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