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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


そのまま寝転がるように誘導されて、覆いかぶさった青峰君がすぐにあたしの唇を優しく塞いだ

さっきの激しさはないけど、さっきよりも熱い吐息が入り込んでゆっくりと深くなっていく


暖かく濡れた柔らかい熱があたしを捕まえたり逃がしたり

上あごを優しくなぞられたり



そっと青峰君の方に入ると強くあたしを抱きしめて、寝てるときと同じように密着して体の向きをくるりと横向きに変えてくれた。

それでも唇は離れなくて、青峰君の大きな手があたしの背中を何度も何度も撫でてくれた






不意に腰に触れた手にビクリと体が反応して、青峰君のお腹の辺りに体が触れた時…





あたしだって意味ぐらい分かる









我慢させてるって分かってる









「……ごめ…な…」


「それは、言わねぇ約束だろ?」


謝らなくていいと言われてもやっぱり罪悪感はある訳で、でもまだそこまで進む勇気がなくて、謝ること以外に何もできないから言ってしまう言葉を遮られて優しいキスをしてくれた。


「離れたほうが…いい?」

「な訳ねぇだろ」


その言葉通り、背中にある腕がさっきよりも強くあたしを引き寄せてぴったりと体がくっついた。


触れる硬さに安心してるなんてあたしはどっかおかしい。
青峰君があたしをちゃんと女の人として見てくれてるんだってことが嬉しくて、今まで怖いものでしかなかったはずのそれが、ひどく愛しいものになった気がした。


だけど行為には踏み切れない


この訳の分からない矛盾が自分でも分からない


「あの…あたし、どうしたらいい…?」

「俺を好きでいてくれりゃそれでいい」

「でも…そんなの…あたしばっかりいい思いしてる」


抱きしめられてキスしてもらって甘やかしてもらって

あたしはその時間がすごく幸せで嬉しいけど、青峰君はそれがしんどいことなんじゃないかって思わずにはいられない。


体のつながりが全てなんて思わないけど、この歳でそれを怖がるって言うのも変だって分かってる

「お前また変なこと考えてんだろ。自分じゃなきゃ俺が我慢しなくていいとか、俺を我慢させてんのは自分のせいだとか」


当たってる。言ってないのに…
なんか全部見透かされてる。


「…だって……」

「だってじゃねぇ。俺はお前がいい」

「平気なの…?」
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