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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


開いたエレベーターに脚を踏み出して、青峰君がカードキーをかざした直後に閉まる扉。




あたしの体は一瞬で壁際に追いやられて逃げ場を失った。

でも背中が直接壁に当たってないのは、あたしの頭をしっかりと引き寄せるようにしてる腕がクッションになってるから。


何か言葉を発する間もなく重なった唇は、いつもよりも熱くて息継ぎもできない程激しくて深くて…


はっ…んっ…

んっ……くるしっ……



カメラが………


少し離れた合間に発した言葉だって最後までは言い切れない。

いつもよりも絡められて何度も角度を変えられて、リップ音と絡まり合う水音がピチャピチャと箱の中に響く


あおっ……み…

「大輝だ」


やっ…んっ……

あっ……


ふいに首を強く吸われていつもよりも強いチクリとした痛み


だけどそんな事考える暇もなくまた唇が重なって、歯列につるりと温かいものが入り込んできた。


ふぁぁっ……‼








「悪り……」



あたしが思いっきり体をびくつかせて変な声を出したせいか、キスは終わってものすごくしっかり抱きしめてくれた




「もすぐ…着く…から……」



歴史ある建物のペニンシュラはエレベーターもゆっくりで、いつもならそのゆったりとした速度が心地よかったけど今はもどかしい。




早く部屋に入りたい




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小さく響くエレベーター到着の音で体を離して、言葉は何もなかったけどあたしの指を絡めてくれてぎゅっと握ってくれた。



ゆっくり廊下が見え始めて扉が完全に開く前にエレベーターを降りると、目の前のドアノブにカードキーをかざした。



赤いランプが緑に切り替わる時間ですら惜しい

そんな事感じたこと一度もなかったのに





小さく響く“カチャリ”というロックが解除された音。


いつもなら青峰君が空けてくれるのを待てるのに今日は待てなくて、あたしと青峰君の手が重なって同時に部屋に入り込んだ




メイクバッグを人に持たせたことなんて一度もなかったのに。


扉が閉まる前に重なり合う唇と同時に手からバッグが取り上げられて、押されるようにカウチに追い込まれた。
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