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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


『ま、いいわ。予定通りやって頂戴』

『承知いたしました。それでは、細かいご希望などをお伺いさせていただきたいのでこの後少々お時間を頂戴してよろしいでしょうか?』

『じゃ、ラウンジで。先行ってるわ』

『承知いたしました』


カレンを待たせる手前あたしも早くいかなきゃいけなくて、メイク道具を手早くまとめて残ってるスタッフに挨拶をしから部屋を出ようとすると、出口付近でスタッフが話してる声が聞こえた


「あの花岡の佐伯っていたじゃん?」

「誰だっけ?」

「ほら、2月くらいに契約切ったとこ」

「あー!いたな」


契約を切った…?
どういうこと?
佐伯さんの栄転で花岡はプロジェクトから外れたけど、その直後に契約を切るって何かあったの?


知った名前がふいに聞こえたことで、早く行かなきゃいけないのに、あたしの足はそこから動かなかった。

「あいつ、逮捕されたらしい」

「は⁉マジかよ⁉なんで⁉てかなんでお前そんな事知ってんの⁉」


あたしが聞きたいことは話し相手の彼が全部聞いてくれていて、聞いてはいけないと分かっていてもあたしはその場から1歩も動くことができなかった。

「俺この間の合コン花岡の女の子とやったんだけど、そのうちの一人がちょー酔ってて、内緒の話とか言って教えてくれた。何したかは知らんけど1月に警察が会社来ていきなりあいつのデスクからロッカーから差し押さえたらしく社内では緘口令が敷かれたって。緘口令意味なしで笑う」

「いやいや、笑えんでしょ。うちとの契約解消って関係あんの?」

「逮捕されたのがいつか聞く前にその子寝たからその辺曖昧だけど、どっちにしてもうちがとばっちり食らわなくて良かったよな。担当者が逮捕とかシャレにならねー」









佐伯さんが逮捕…?
なんで…?


最後に一緒に仕事をしたとき彼は普通に見えた。


知った人が逮捕されるなんてそうそうあることじゃなくて、いくらパパがFBIだからって自分の生活にまで“逮捕”って単語がなじんでる訳じゃない。

あまりの驚きに頭がついていかなかったけど、二人の話題は合コンの成果に移ったことであたしも現実に引き戻された


とりあえず今は関係ないし、カレンを待たせすぎるのはマズい

「すみません。お先に失礼させて頂きます」

「あ、黒須さん。おつかれ!」

「お疲れー。また明日よろしく」
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