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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


ダイキのところに来て話始めた日本人モデル

ダイキやタイガよりは細いけどしっかり鍛えられていて、衣装負けすることは無い。顔立ちも東洋系だけど華がある。

この男は間違いなくこっちでも売れる

ダイキとの関係は分からないけど、恋人の友達ならあたしも少し挨拶はしておきたいし、仕事で一緒になることが今後もあるかもしれないからちゃんとあたしを覚えていてもらわないと


だけど問題は言葉


あたしは日本語なんてできない
今だって楽しそうに話してるけど何を話してるのか全く分からない


「ウエイトがめちゃくちゃいいからな」

「へぇ、日本でも買えるんスか?」

「買えねぇ。俺の為だけのウエイトなんだよ」

「なんスかそれ⁉オーダーメイド?」


全く分からない

ダイキは楽しそうに笑ってるけど何を言ってるのか全く理解できない


なんであのモデルは英語ができないの?
世界を視野に入れてるなら英語くらいやってきなさいよ



けど今はそんなことを思っていても仕方がない。
このメイクは英語、日本語は完璧でイタリア語も少しできるトライリンガルらしいから丁度良かった


『ねぇ、あの二人何を話してるの?』

『あの二人とはどのお二人でしょうか?』

『ダイキとキセよ』

『申し訳ございませんが…』

『これは仕事よ』

言うと思った。

仕事で知りえた個人的なことは口外しない
プライベートなことは話さない

同じセリフを何度も聞いてるんだからあたしだってそう返されることくらい予想できる

『あなたたちはあたしたちに出演を頼んだ側でしょ?通訳が少ないのは現場の責任なんだからオファーした側として要望は聞いてもらうわ』

『メイクのことで必要があれば通訳を致しますが、そうでない場合はわたくしの仕事の範疇からは外れていると解釈しております。大変申し訳ございませんがご要望はお請けでき兼ねます』

『なら、通訳はいくらで受けてくれるの?報酬なら払うからこの現場あなたがあたしの通訳になって。いくら?欲しいだけ言いなさい』



『申し訳ありませんが、わたくしはメイク以外のことを仕事にすることはございません。お代金の問題ではありません』


初めて見えた若干の怒り
一瞬で顔を元に戻したけどゾッとするほどの冷たい顔をした


この女…一体何なの?
怒りのツボも全く分からない
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