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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


持ってきてもらったものを持って、中野チーフに控室に行くことを伝えてからペントハウスを出て控室に入ると、パットも戻っててまた昨日と同じようにあたしを優しくハグしてくれた。


何も言わないけど、パットはあたしの気持ちをきっと分かってる。
だからこうやって慰めるようなハグをしてくれたんだと思う


ささくれ立ってた気持ちが少しずつマシになって、持ってきたものをゆっくり食べてると、チャイムが鳴って思わずパットと顔を見合わせた。


『誰かしら?』

『誰だろ。チーフかな?』

『あたしが出るわ。あなたはこっちにいなさい』


ドアから見えない位置にあたしを移動させて、パットがドアスコープを覗いてからドアを開けると、聞きなれた声が聞こえて思わずあたしもソファから立ち上がっていた



控室なのに豪華な部屋で、キャッキャッと喜ぶ声が聞こえて3人の姿が見えた


「みさきー?大丈夫ー?」

「全然大丈夫って言いたいとこだけどちっとも大丈夫じゃない。美緒は?」

「意外と大丈夫」

「ねー!聞いてよー!フランスの人がテツ君にちょーちょっかい出すの。ウインクしたり投げキスしたり!信じられる⁉あたしのテツ君なのに!」

「ちょっとさつきー?みさきの話聞くんじゃなかったの⁉」

『ハンナは?大丈夫?』

『まぁまぁね。メインカットはさすがに見てられなかったけど、他は全然。ソフィアは恋人いるからミサキ程大変なことになってないわ』


「てか、なんであたしがここにいるって分かったの?」

「チーフに聞いた。カレンに好き放題やられてるからちょっと様子見てあげてって言われた」

「大ちゃんもちょー心配してた。撮影中は一緒にいられないから頼むってメッセージ送られてきた」

『タイガが休憩中はダイキといてくれるって言ってたから』



なんかあたし、ほんといい友達に恵まれた。


こんな風に元気づけてくれて自分たちだって休憩したいはずなのにあたしのことを気にしてくれて
一昨日だって夜中までお酒に付き合ってくれたのに今日だってこうやって来てくれた


「あの、ありがとう。あたし頑張ります」

「じゃあ今夜は思いっきりストレス発散しなきゃね!仕事終わったら運動できる格好であたしの部屋に集合!」

「何それー?」

「テツ君がいいもの用意してくれたから!女子会しよ!」
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