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最愛 【黒子のバスケ】

第24章 ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ


カレンの気持ちを知っていながら青峰君に拒否しないことを頼むあたしの性格の悪さも大概なもんだけど、あたしはどんな手を使っても青峰君との関係を守りたい。

性格が悪いと言われようが、性根が腐ってると思われようが、青峰君との関係だけは誰にも踏み込ませない。

青峰君があたしを好きだって言ってくれてるなら、あたしは絶対に引かない。




予定を空けるように言われてからスケジュール帳に目を落としたまま何も答えないライアンと、何も言わない青峰君にしびれを切らしたのか、カレンが不意打ちでライアンの手から素早くスケジュール帳を取り上げた


『ちょっと見せて』

『返してくれ。それはダイキのすべてのスケジュールが入ってる。いくら君でも、まだリリース前の情報を見られるのは困る。この時代にペーパー管理しているのは漏洩させたくないからだ。返すんだ』

『別に何も口外しないわ』

『分かってるが、万全を期したい』


ライアンは冷静で論理的で、きっと頭もいいしこの業界が長いからなのか人をうまく動かせる。

穏やかだけど反論はできない独特の言葉と雰囲気に、カレンも大人しく返したけど口元は笑ってた。




『ホント、堅いわね。でもいいわ…明日の朝8時から10時の2時間空いてるじゃない。ね?』

『起きれねぇ』

『ならあたしが行くわ』

『来たとこで起きねぇよ。俺の寝起きが悪いなんて分かり切ってんだろ』

『なら、今夜会食が終わったらあたしの部屋に来て』


カレンは絶対にあきらめないし、これ以上拒否することで状況は悪くなることはカレンの声色から明らかだった。
あたしにもわかるんだからライアンと青峰君だってきっと分かってる。



青峰君とライアンからどんな言葉が出るのか怖くて仕方ない。


聞きたくない。
ここにいたくない。

プライベートは絶対邪魔されたくないから、仕事中だけは何があっても我慢してこれたのに…
プライベートにまで侵入してくるカレンへの苛立ちは、今までに感じたことのない強い憤りだった。





















______________それでも、逃げ道はなかった。


























『夜は無理だ…明日の朝9時に俺が行く』
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