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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


ライアンに言われて感情を沈めてから戻ると、カレンが構成を変えた方が自然だのなんだのと喚いて、メーカーの人間も必死にコンセプトを説明してた。

広告塔なんだからメーカーに言われた通りにやってりゃいいのに、勝手なことを言いたい放題言って、挙句マネージャーのジジイは止めもしねぇ


ふざけんなよ……


『ミサキとの約束を忘れるな。俺が話す』



俺の苛立ちをくみ取ったライアンが話をつけてやっとチェックに入った。

俺は何度もイメージして撮影に入って完璧だと思ってた。


OKが出て今日は部屋に戻れる
胸糞悪りぃカレンの顔を見なくて済む


なのに……

調整したはずのツリーのライトと女が被ってて、完成イメージとは違うものになっちまってた


原因も分からず位置を確認してるスタッフと、カメラの位置を確認してるカメラマン、首をかしげるだけの他のスタッフ。





また位置を合わせ直すとこからになると思った瞬間に聞こえたみさきの声。


強い意志と仕事への責任感
経験と知識に裏打ちされた自信


感情だけで仕事を放棄しようとした俺とは真逆だった。


カレンの存在に左右されて怒りを感じる俺は甘い。
過去に付き合ったことはあっても、今は他人でただの共演者だ



2人になったらみさきの感情を全部聞く。
何もしてやれねぇ分、溜め込ませたり我慢させることだけはしたくねぇ



パットに呼ばれて、メイクを直すために部屋を出て、リビングのメイクを直すために用意された場所に座った。


『あたしのミサキはね、仕事へのプライドだけは誰よりも持ってるの。あんただけ逃げようなんて許さないわよ』

『俺の女だっつってんだろ』

『だったら、あの子に誇れる自分でいなさいよ。仕事投げ出すような腑抜け認めないわよ』

『分かってる…』

『でも、プライベートは初めての恋で振り回されてる普通の女の子。彼氏がバカみたいな女と付き合って、後始末も適当なせいで巻き込まれて……ホント、あたしのベイビーが可哀想ったらないわ』

『だから…俺のだ』

『前も言ったけど、半端なことして泣かせたら……あんた殺すから。これだけは覚えておきなさい』



だから、こえーっつってんだろ
パットは目がマジだからこえーんだよ


けど今は救われた
俺の女はみさきだって言えねぇもどかしさをこの会話が解消してくれた
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