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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


避けられなかった


クソッ……


クソッ……



触れた瞬間に体を引くとカットがかけられた

『そんなに驚かないでよ』

『構成と違うだろ』


驚いたんじゃねぇよ
気持ち悪かったんだよ


綺麗なのはみさきがしたメイクだけだ

表情も至近距離もさっきのキスも全部が不快でしかねぇ。
その甘えたような目と猫なで声が俺の神経を逆撫でしてんだよ



もう限界だ…
こんなみさきを傷つけるだけの事今すぐやめてやる。


平静を装ってはいたけど、今にも殴りつけたくなる衝動が抑えられなくなりそうで、カレンから離れて部屋を出ようとするとライアンが道を塞いだ。

『どけ』

『こらえろ』


スタッフに囲まれるカレンに俺たちの声は聞こえてねぇ

悪びれることもなく笑うあの女の感触を今すぐ忘れたかった。

『断る』

『ミサキを見ろ。辛いのはお前じゃないだろ。彼女が必死にやってるのにお前が逃げるのか?そんなんで彼女に選んでもらう資格があると思ってるのか?』

『一番大事な女傷つけてまでしなきゃいけねぇ仕事ってなんだよ』

俺はみさきよりも大事なことなんて何もねぇ。
みさきが笑っていてくれさえすれば他のことなんてどうでもい。

みさきが生きてて笑ってる
それ以上に俺が求めることなんて何もねぇ


『彼女を見くびるなよ。仕事へのプライドは誰よりも持ってる。プライベートと同じ可愛い女だと思ってるなら大間違いだ』

『分かったようなこと言ってんなよ……』

『仕事の彼女ならお前より知ってる。NYで初めてミサキに会った時の言葉は撤回する。お前にとって最高のパートナーだ。選ばれる男でいろ』


あの時ライアンはみさきの良さは分からねぇって言ってた。
反対するわけじゃねぇけど、何でみさきなんだってことは聞かれてた。

顔が俺好みってとこは理解したらしいけど、今まで俺が付き合ってきた女たちとは全く違うから腑に落ちねぇって感じだった。


だけど日本で初めて一緒に仕事してからは、みさきを好意的に受け入れてた。
俺が撮影の間何を話したのか知らねぇけど、あの日からなんでみさきなんだって聞かれることはなくなった。




みさきを見ると、さっきの泣きそうな顔は勘違いだったと思う程いつもの仕事の顔で、投げ出す気なんてさらさらねぇって顔してた



…これが終わったら必ず埋め合わせをする

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