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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


『それにしたって、最初から最後まで1回も触れないなんてすごく不自然じゃない』


『決してそんなことはありません。このカラーは落ち着いた愛情を表現しています。触れたり明らかに誘導されたりせずとも、阿吽の呼吸で壁際に行くところにこそこの二人の深い関係が現れます。触れないからこそ、ということです』


カレンさんが食い下がってもカレンさんのマネージャーは何も言わない。


昨日もいなかったし、今日だって他の人に言われなければあの人がマネージャーだなんて分からない程存在感のない人だった。

カレンさんを止めることもなくそこにいるだけ。
何もしていない



『カレン、今回は触らないという契約でダイキも仕事を受けてるんだ。契約通りやってくれ。ダイキは移籍した上にアクシデントで怪我をして体を作ってる最中だ。触られるのを嫌がるのはスポーツ選手としては当然のことだ』


『元のモデルならそうかもしれないけど、あたしは例外よ。だってあたし達…』

『カレン、今はプライベートを持ち出さないでくれ。君とのことはもちろん分かってるが、今はこの撮影を仕事としてやって欲しい。ストーリー性のある商品だからコンセプト通りにしなければ不自然だ。それに、顔が見えなくても君程のモデルなら誰かが気づいてより話題になる。あからさまなアピールより効果も数字も期待できる』

『分かったわ』





カレンを黙らせたのはカレンのマネージャーでも中野チーフでもない






ライアンだった





『すまないが、ダイキはトレーニングとリハビリで疲労が溜まっている。予定ではメインのカットだけが今日撮れていれば遅れはないと認識してる。チェックで問題なければ今日は切り上げさせたい。ダイキの本業はあくまでバスケットだ。もちろん受けた仕事はするが遅れていなければ今日は引き揚げさせたい』


『えぇ。今日の予定はメインカットだから、それさえとれていれば問題ありません。……チェック入りましょう』




ライアンはあたしと青峰君の関係をいいとも悪いとも言わない。
すごく嫌われてるって感じではないと思うけど、どう思われているのかは分からなかった。

だけど今はライアンが間に入ってくれたことで現場が進んだことは本当に助けられた
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