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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


パットがあのタイミングで声をかけてくれたおかげで続きを聞かずに済んだ。


メインのカットは斜め45度から

メインカットはカレンさんの横顔は最小限だけど青峰君がキスをするその瞬間を撮る

少しでもどちらかが近寄れば確実に唇が触れる…
唇同士の隙間は1センチもない


あたしと美緒のデモンストレーションの写真ですらよく見なければ本当にキスをしてるように見えるしあたしと美緒は鼻は触れてた


角度次第で鼻はどうにでもできるからカレンさんと青峰君は鼻は触れてないけど青峰君は鼻が高いから顔スレスレ



徹夜して必死に考えたことをこれほど後悔するとはあの時思ってもなかった


でも後悔してるのは青峰君とお付き合いしてる自分であってメイクとしては少しも後悔はしてない。


相手のモデルさんがカレンさんってことを心の底から嫌悪してるのもあたし個人であって、メイクとしても企画をした立場としても被写体が当初の想像よりもずっといいということは認めざるを得なかった




二人が構成通り位置に入ってメインのカットを撮影すると同時にSNSやCMでも流すための映像を一緒に撮っていく


もちろん使えなければ動画だけで取り直すけど時間短縮のため同時にできるところは同時に進める



裏方が見守る中カメラが回って青峰君が部屋に入ってくるところからの撮影が始まった



ドレッサーの周りを照らすライト

ふわりと柔らかくゆっくり点滅するツリー


開かれた扉に振り返るカレンさんを背中側から撮って奥の青峰君を映し出すモニター


その顔は本当に優しい顔だった

久しぶりに奥さんと出かけられることを楽しみにする旦那さん


旦那さんを見た奥さんは嬉しそうに立ち上がって近づいていくと旦那さんは奥さんの行く道を体で誘導して壁に追い込んだ








見つめ合って




照れて下を向く奥さん








片手を壁についた旦那さんが奥さんの顔まで腰をかがめて





顔を上げさせるために顎の下に手を添えた












そして逆らうことなく上を向いた奥さんに近づいて












唇が触れるまでのその瞬間





シャッターが高速で切られる音が響く






打ち合わせ通りの完ぺきな流れ





















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