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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


撮影前あたしと青峰君は約束をした。

あたしがカレンに何を言われても絶対に間に入らない
カレンを刺激しない

カレンを刺激して仕事をしないなんて言われたら困る
あたしはメイクとして、青峰君はモデルとしてペントハウスにいるときは仕事のことだけを考える。

最終のリハーサルでは絶対にあたしも立ち会うから、至近距離にいるカレンと青峰君を見ることは最初から決まってたし、そこでカレンが何か言ってくるかもしれないってことは分かってた。

あたしはカレンの言葉を絶対に真に受けない


構成通りにしてくれない青峰君をカレンと近づかせて、本当にキスをしそうな距離にいる二人を見て胸が痛まないわけではない。

それに絵として文句なんてつけようがないほど綺麗だったから、コンプレックスを強烈につつかれたような気もした

だけどあたしはあたし。
あたしはメイク

顎に触れそうな青峰君の手でできた影の部分を少しだけ調整した


『ネロは元気?』

『あぁ』

『あたし、ダイキが家に来ていいって言ってくれた時嬉しかったわ。あのベッドで抱かれたのあたしだけだもの』

『そうだな』


分かってたこと

青峰君には彼女がいたことも、大人同士が付き合えばそういう行為が当たり前だってことも


『朝まで一緒にいてくれた日があたしにとって一番幸せな日だったわ』

『そうか』



青峰君は女の人と朝まで一緒に過ごさないって付き合う前に本人からも聞いてたけど、カレンさんとは過ごしたって事だよね……

けどそれは悪いことじゃない

あたしと同時に付き合ってたわけじゃないし、あたしに至っては付き合う前から寝落ちしたりしてるんだから。

付き合ってた当時に二人がどんな過ごし方をしていようが文句なんて言えない。



パットが青峰君のメイクを微調整する間、あたしはその会話をずっと聞き続けてた


『なんでキス直前なのかしらね?あたしたちキスなら何度もしたんだから実際にした方がリアリティあると思わない?』

『そうだな。けど今から構成変更したら撮影伸びんだろ。早く終わらせてぇ』

『それもそうね。ねぇ…あれからトレーニング増やしたの?前からいい体だったけど、覚えてるよりも、ずっと、鍛えられてる』

『あぁ』

『ダイキ、撮影終わったら……』














『さ‼終わりよ‼‼これで完璧。撮影始めましょ‼』
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