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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


『あら、どうして?あなたがサラを外したのよ?外したならその穴埋めは自分でするべきじゃない?それとも……あたしのメイクができない理由でもあるの?』

『ほかのクライアントからの依頼も断っておりますので一律そうさせていただきます』

『なら仕方ないわね。このまま撮影してもらうわ』

それは困る。
中野チーフも明らかに困っているし、撮影の順番を変えても、そろそろ本当にメイクを直さないと間に合わない。


「黒須さん。カレンさんのメイクを、お願いします」

「承知いたしました」


あたしのクライアントはメーカーだから、そこにやれと言われたらやる。

メイクはできるように自分のものは用意していたし誰をやることになっても仕上げられるようにしてある。

これは、どんな不測の事態でも対処できるようにそうしておきなさいってパットに昔から言われていたことだったから。
だから、どんな仕事の時もメイク道具は必ず持っている


メイクを落として、作りこまれたヘアセットのスプレーでバリバリになった髪を洗いにバスルームに入ってもらった。
カレンさんを待つ間にメイク道具を用意して資料を再確認して、撮影の部屋のライトも実際の撮影と同じようにライトをつけてもらって明るさを確認した。


青峰君の身長差とカレンさんの身長差は19㎝

影の被り方を頭の中で計算しながら、メイクをした後のカレンさんのイメージをシミュレーションして、微調整のための色も考えて準備は整った。



「何か手伝いますか?」

「大丈夫よ。そろそろ火神さんメイクの直し入るでしょ?パットについて。それから順番が代わるから青峰さんもメイクの直しがあるかもしれないからフェイスパウダーを用意して205番のブラシとGの09も出しておいて。あと青峰さんのボディアートの崩れやスレがないか確認お願い。触る場合は必ず本人に確認してからね」

「はい。承知しました」



ここで光さんに入ってもらえばあたし的にはすごく助かるけど、また何か言われて遅れるんじゃ今日の終了時間内に終わらなくなる。


波風を立てずとにかく仕事をやり切る。それだけを考える。


カレンを100%仕上げる
青峰大輝の相手のモデルとして

旦那さんと久しぶりに出かけることを楽しみにする奥さんとして、彼女を最大限引き出す


それがあたしの仕事
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