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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


すべてがまっさらな状態に戻ったカレンさんは非の打ち所なんてない程完璧なモデルだった。

髪も顔もスタイルも、被写体として優秀すぎる程優秀だった


『では始めさせていただきます。アレルギーや避けている成分、肌に合わないメーカーや製品などはございますか?』

『ないわ。でも香料が多いものはやめて』

『承知いたしました』

頭皮のマッサージをしてから髪を乾かして肩に触れると張ってる

肩の凝りやすい骨格なうえに、胸が大きいことでこまめにほぐしても凝ってしまう


『少し肩から首にかけてをほぐしますが痛みや不快感があればすぐにおっしゃってください』

『えぇ』


近くのスタッフにホットタオルをもらって首を温めながら首、肩、肩甲骨、デコルテをマッサージして本来あるカレンさんの体に戻していく。


本当に綺麗な体をしてる


細めだけどガリガリとかじゃなく、きちんとトレーニングをしていて適度な筋肉がある背中と肩。

付くべきところはついていて絞るべきところは絞られてる


『ダイキはね、本命の女にしか家を教えないのよ』

『左様でございますか』


カレンさんがあたしにメイクをやらせるのは多分あたしを試したいから。
だけどあたしは試されようが何しようがやることは変わらない

クライアントに言われたなら、個人的にどれだけ嫌いで気に食わない相手でも100%仕上げてカメラの前に出す


『骨格を確かめさせていただきますので少々お顔を触りますがよろしいでしょうか』

『いいわよ』

『では目を閉じてください』


おでこから徐々に下に向かって触って、メイクを載せる最適な位置をいつも通りに確かめて、ついでに彼女の頸動脈を観察した。



やっぱり……
この脈拍の数で妊娠はありえない。

だけど万が一にでも何か文句を言われるのは絶対に避けたい。

普段通り妊婦さんには使わないようにしてるコスメは避けて、それ以外のものでメイクを乗せていった。
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