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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


『今からメイクはすべてやり直してもらうわ。資料を読んでないの?』

『読んだわ。だけど使うのは無名モデルじゃなくてカレンなのよ。顔を写さない構成をそっちが変えたっていいでしょ』


いい訳がない。

相手のモデルの顔がはっきり写ってしまったら購買意欲を削いでしまう。
自分だったらって思えるから顔を写さないって明確な理由と意図があって、その意見は満場一致だった。

モデルを勝手に変えて、当日に突然こっちの意見を飲めって言われてもそれはできない。

だけどそれを決めるのは中野チーフ


『チーフを呼ぶわ』

『そうして。あたしも顔が出ないよりは出た方がいいもの』



大我の撮影を見守ってるチーフに声をかけて事情を説明すると、大きくため息をついて説得に行ってくれたから、あたしはその間に光さんを呼んでメイクをしてもらう用意を始めてもらった


そしてあたしはサラに自分の仕事をもう一度よく考えるように話す必要がある。


『ちょっとサラ。話があるわ』

『なに?』

明らかに面倒そうであたしを嫌ってる。

だけどここは好き嫌いをする場所じゃなくて仕事をする場所
だからあたしも言うべきことははっきり言わせてもらう

昨日のことは一切関係ない


『さっきも言いましたがこの現場はチームです。そしてメイクチームをまとめるのは私です。明日からも彼女のメイクをするなら明日までにすべてのメイクを構成通りできるようにしてもらいます。明日の朝1番でテストをします』

『あたしは専属なんだから、そんなことあんたに言われる筋合いないのよ』

『何度でも言います。この現場はチームです。チームで動けない人間には外れてもらいます』

『だからそれはあんたが決めることじゃない!あたしは専属なの!』

『わたくしが決めます。いくらアクターが指名しても、技術がないものは現場には必要ありません。ここはアクターを100%仕上げてカメラの前に送り出す責任を負う仕事場です。個人的な主観や思考など一切関係なく打合せ通り仕上げていただきます』


ここは譲らない。
いいものを作るためならあたしは嫌われようが何だろうが関係ない。

あたしの現場で生半可な仕事をする人間は外れてもらう
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