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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


『集合時間をどれだけ過ぎてると思ってるの?』

『あたしカレンさんの専属なんで、そっちのスケジュールで動く必要ないですよね。メイクも向こうでしてきましたし、撮影には影響ありませんけど』

『専属だろうが何だろうがここはチームで動く現場なの。勝手な行動は認めないわ』

きっと彼女はあたしの指示には従わないし、今はこれ以上の議論は時間を浪費するだけ

それに、しっかりカレンさんが仕上がってるなら撮影に影響はない。
言うことを聞かせられないのはあたしの統率力不足。メイクのトップがパットなら、こんなことは起きてない。

彼女が仕上げたカレンさんがきちんと打ち合わせ通りの仕上がりになってるのか確認をするために、スタッフと一緒に奥に座ったカレンさんのところに行くと我が目を疑った。


カレンさんのメイクは肩甲骨まで

久しぶりの旦那さんとのデートで、用意をする奥さんを改めて好きだって感じて用意を中断させてキスする直前。

顔は誰か分からない程少ししか映らないけど、ほしいのは大人の色っぽさと久しぶりのデートを楽しみにする幸せな横顔
どぎついメイクは必要じゃない。

せっかくのデートだから服装は少しドレスアップして、背中のカットは深めだけどひざ下丈の上品さとセクシーさを併せ持ったドレス

あたしの記憶と資料のメイクは確かにそうなってた
資料が渡ってないのかと一瞬疑いたくなるほど、イメージと完成は剥離してた


全く持って別物の仕上りで、すべて直さないと撮影には入れない。
おまけに背中にはメイクがされてない

コンセプト以前に、メイクとしての基礎が全くと言っていいほどできていない

色も合ってない、フィットしてないせいか小鼻のメイク浮きもある、骨格からずれたメイク、必要以上にオーバーに取ったリップライン

とてもじゃないけどこのまま撮影には入れない

これで専属なんて…これがカレンさんの指示なの?

だとしても今回メインは男性モデルで女性はあくまで補助的な要素
だから有名どころを使わなかった


これじゃあ企画の根幹がズレてシリーズとして成立しない。

チェックに入ったスタッフの顔にも怒りが見える


「なんなんですかこれ。ちゃんとしてくださいよ」

「申し訳ありません。すぐに修正いたします」


この部屋で撮影するって事だけで莫大な費用が掛かってる。
遅らせるわけにはいかない

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