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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


『私は先に現場に行きますので、あとよろしくお願いいたします』


俺のマッサージとキスマークを隠し終わると、ライアンが予定よりも早く迎えに来て、入れ違いにみさきは先に現場に行く。


ロビーまで行くっつってんのに、もう仕事だからダメとか言いやがって…

あっちに行くまではプライベートなはずが、ライアンが早く来るからみさきはすっかり仕事モードで隙がねぇ。


ドアを開けて、部屋を出ようとするみさきの腕を昨日とは違う意味で掴むと、綺麗な顔で振り返った。

「行く前はキスする決まりだろ?」

「ライアンいるでしょ」

「見てねぇから」

「リップが落ちるからダメ」

クッソ……
やっぱ仕事モードになると全然譲らねぇ。

けどこれは俺も譲れねぇ

みさきのマンションで一緒にいた時もそうだった。
家を出るときと帰った時は必ずキスとハグ

少し力を入れてみさきを向きなおらせてハグして、唇の横に触れるだけのキスをすると、俺を見上げて何か言いたげな顔をしたけどキスができねぇ代わりに俺の手をぎゅっと握り返してくれた


離したくねぇけど、仕事だしな…

離れる手に寂しさを感じながらもみさきを解放すると、赤く色づいた唇が動いた

「首は絶対に触らないでくださいね。行ってきます」


可愛くねー(笑)


けど照れ隠しだって分かってる
耳が真っ赤で目がすっげぇウルウルしてた

ホントめちゃくちゃ可愛い


『随分長い見送りだな。カモの親子行列でも見送ったのか?』

みさきを見送って部屋に戻るとライアンが笑ってやがる。

カモなんている訳ねぇだろーが

『うっせーな。なんでこんな早く来んだよ』

『昨日食事会場であの女がミサキにいろいろと言ってるのを聞いててな。変に俺が止めに入れば余計ややこしくなると思って手を出されない限り止めに入らなくていいと思ってたけど、あの女がお前と付き合ってるなんて言うから揉めてないか心配だったんだ』

『あいつはそんなの信じる程バカじゃねぇよ』

全く無事平穏ではなかったけど、みさきは俺を疑ったわけじゃなかった。

ゴシップばっか載って、しょっちゅう違う女と撮られてたのにみさきは俺を疑うことはなかった

だから必要以上にこじれなくて済んだ

『いい女だ』

『誰が選んだと思ってんだ』

『目が狂ったまま選ばなくて一安心だ』

おい…



それは言うなよ……
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