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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離



黒須がなんか色々とみてたのは気付いてたけど、それがネロのおやつだったのには驚いた。

ネロから俺を借りたからだって言って笑ってて、ネロを連れてきた女よりネロの事を考えてくれる気がした。


優しい女だな…

ネロにトラウマを植え付けたのは間違いなく俺とあの女だった
もうあんな可哀想なことはしたくねぇ

犬が好きならネロと会わせてぇけど、こればっかりはネロのペースに合わせねぇと…



けど、あいつと黒須は違う

俺は黒須との関係を一時的なもんにするつもりはねぇ

付き合えようが付き合えまいがそれは変わらねぇ




ホテルに戻って黒須を夕飯に誘って、店を決めるために今度はカフェに誘って、いつもならそんな回りくどいことしねぇけど、黒須が俺の部屋に来るのはまだ無理そうだって何となく感じた。



どこにでも行かれるように、一応ジャケットを着てから黒須を迎えに行くと、短時間でどうやって用意したのかすげぇ綺麗だった。

さっききのラフなのもいいけど、白いひざ丈のワンピースはすげぇ似合ってる。

相変わらず柔らかそうな髪は高い位置で結ばれて細い首がはっきり見える

付けてねぇけどピアス開いてんだな


なんかヤベェ…

自分を何とか落ち着かせてエレベーターに乗り込むと、下るにつれてどんどん人が増えて黒須がつぶされちまいそうだった。

スペースを確保したけど、下を向いているから具合でも悪いのかと思って声を掛けたら至近距離で目が合って逸らせなくなった。

やっぱ、めちゃくちゃ目が綺麗だ
まつげ長げぇな


少し上目遣いで俺を見る綺麗な目と、控えめに言葉を発するぷっくりした唇


…なんだよこれ

拷問かよ


すげぇキスしたくなる。
こんな感覚、今まではなかった。



何とか衝動を抑えてエレベーターから降りる黒須を迷わず捕まえた。

いっその事言っちまったほうが楽だ



「すげぇ似合ってる」


黒須の目が見開かれて首まで赤く染まるのが可愛くて、人の多いロビーで黒須を離したくなくてそのままカフェまで移動した。



俺がコーヒーで黒須は紅茶


黒須はあんときも紅茶の列にいた


女なんて面倒だと思ってた

自分から関わるなんて思ってもいなかった

いつもだったら助けなかった

礼を言いたいって言われても断ってた


躓いたギャルソンと咄嗟に動いた自分の体に今は感謝してる
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