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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


片腕だけでぎゅっと強く引き寄せて、あたしを抱きしめてない手はあたしの左の薬指のほくろを撫でながら絡まった


「お前のそういう恥ずかしがりなとこも初心なとこもすげぇ好き。……けど、たまには目に見えるもんで、俺の一方通行じゃねぇって確かめてぇ時もあんだよ」

「でも今キスマーク付けるなんて、カレンさんへの当てつけみたい…」

撮影は背中は撮らない。
撮らないところはメイクしない

だけど撮らないから見えないってことじゃない。
上半身は着ないってことは共演者やクルーには背中は見えてる。

昨日の今日でそんなことをするなんて、余計に刺激して怒らせそうだった


「別に当てつけでいいだろ。当てつけようが当てつけまいがあいつは言いてぇこと言ってくんだから関係ねぇ。仕事で冷静でいるお前のことは尊敬してる。でも今は俺の女だろ?」

「……だってあたし、今はそうしてないと普通じゃなくなりそうなのっ!カレンさんとの撮影なんてヤダ、カレンさんと喋らないで、近くにいかないでって……そう思っちゃう。仕事だってなんだって嫌なものは嫌なの」


今更青峰君がカレンさんを好きになるなんて思ってない。
だけど嫉妬とか焼きもちとかは全然ちがうところの問題で、いくら撮影だとはいってもあの至近距離は本当に嫌だった

だけど仕事だから

そもそも企画だってあたし自身がしたものだし青峰君のキャスティングだって賛成してた


お付き合いしてるからやっぱりやめてくださいなんて許されない

だからそれだけは言っちゃいけないって思ってた
だけどあんな風に言われたら本音は隠しきれない


「お前のそういうの…なんつーの?独占欲みてぇなのすげぇいい。俺はお前のだ。お前だけのもんだ」


青峰君は何にも分かってない。

あたしがどれだけドロドロしてるのか

もう隠すのはやめる

もう冷静な振りもできない



青峰君を思いっきり押して、すぐそこのカウチに座らせるとすかさず向き合うように膝に乗った















「青峰君が悪いんだからね……」

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