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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


撮影が始まる夕方まで、決して長い時間とは言えないけど青峰君とあたしが恋人同士でいられる


撮影に入ればそうはいかない


仕事ではあたしはメイクで青峰君はモデル

さつきたちの会社の社運をかけた、莫大な費用が掛かったこのプロモーションを成功させるためのピース


ピースなんて言い方は人によっては癇に障るかもしれないけどパズルはピースがゆがんだりなくなったりすれば綺麗に完成しない

逆に必要のないピースが混じっていたらそれははじき出される


はじかれるピースにならないために自分の仕事を全力でやる


だからそれまでにたくさん充電をする



海鮮たっぷりのブランチは人目を気にしなくていいルームサービスにしてゆっくり食べた



昨日は一緒にいられなかったカウチで一緒に食休みをしながらイチゴを口に入れてもらってる


昨日は涙が溢れて食べることができなかったイチゴ

今は一番おいしい食べ方で次々とあたしの口に飲み込まれていく


「青峰君は?」

「後で食うから。ほら口開け」


やだ

一緒に食べたい

一口で食べられるけど…


一緒がいい

わざと小さく開いた口にイチゴを入れてもらって半分だけ口に入れた


噛む前にいつも青峰君がしてくれるみたいにゆっくり近づくと、優しく笑って残りの距離を一気に縮めてくれた






「やっぱ今貰う」


低くて甘くて小さい声が聞こえた瞬間、唇ごと食べられてあたしが少し唇を開くと、柔らかくて暖かい感触が一瞬で中にあったイチゴまでからめ取っていった



甘い味が残る青峰君の舌があたしに何度も入り込んで深く絡み合っていく



いつもより長くて



深くて



熱い



ドキドキする

お腹の中がギュッてして堪らなく幸せ



好き


好き


大好き…



青峰君の首に手を添えるといつもよりも熱い



角度を変えて何度も入り込むぬれた熱が思考を奪う



強く抱きしめられた体が

絡められた指が

息継ぎもできない程重なる唇が



あたしを愛してるって言ってくれてる気がした



あたしも愛してる


飽きることなく唇を重ねて抱きしめ合って


胸を借りて呼吸を整えると早い心拍が聞こえてそれが心地よかった
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