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最愛 【黒子のバスケ】

第22章 大雨


『ミサキには言うなって言われたけど……』

そういってハンナが話してくれたことは明らかな嘘だった

みさきも嘘だとは分かってると思うけど、最後にそのメイクが言った一言が引っかかった


適当な理由をつけてみさきの様子を見ようと部屋に行ったら、すげぇ落ちてる青峰が出てきた。



こりゃ…なんかあったな


「俺今時間ねぇ」

「みさきどうした?」

「……出て行かれた。パットといる」

パットはハイアットだっつってたから、近けぇし居所が分かってんならいいけど…
青峰も結構ダメージ食らってんな


「ハンナとトイレ行ったとき相当言われたみてぇだぜ」

「は⁉」


やっぱ聞いてねぇか
ハンナに口止めしたんだから自分から青峰に言う訳ねぇけど、そっちが原因だな

俺が聞いたアレは、いい気はしてねぇだろうけど、真に受けてねぇし疑ってすらいなくてただ呆れてた

けどトイレで言われた最後のは、みさきがあの時以来ずっと気にしてる言葉だった

それに無理矢理されたってとこもみさきを揺らがせるには十分すぎる

青峰がそんなことしたとは思ってなくても、トラウマを刺激されると冷静でいるのは多分無理だ

青峰と付き合う前なら自分で必死に何とかしてきたけど、青峰に甘えられるって分かってからみさきはいい意味で弱くなった

「なんで出て行かれたんだよ」

「……くそっ……抱けって言われて、抱かねぇっつったらすっげぇ泣いて出てっちまった。………けど、めちゃくちゃ怖がってるの分かっててできる訳ねぇだろ……」

青峰は相当我慢してる
抱いていいって言われたら抱いたっておかしくねぇのに、ちゃんとみさきを見てる

約束通りちゃんと大事にしてくれてんだな

こんなことになってるときに悪りぃけど、やっぱこいつで正解だ

カウチでうなだれる青峰はすっげぇ落ちてるけど、俺は結構嬉しかったりしてる



「トイレでメイクとカレンと鉢合わせてカレンがお前に無理矢理されて妊娠してるって言われたんだと。その後もいろいろ言われて、みさきは仕事としての対応しかしなかったけど、それが向こうのメイクの神経を逆なでしたんだろうな。女失格って言われたらしい」

こんなこと黙ってたって解決しねぇ

一刻も早くこの状況を打破するには、青峰に本当のことを聞かせんのが一番早い

「…そーいうことかよ。一緒にいたくねぇってすげぇ拒絶された」
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