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最愛 【黒子のバスケ】

第22章 大雨


バスルームから物音がして、出てきたみさきは普通の服に着替えてて、真っすぐに部屋の出入り口に向かって歩いてドアノブに手をかけた


「おいっ!どこ行くんだよ‼‼」

「やだっ‼‼離してよっ…」

「離す訳ねぇだろ‼‼」

すっげぇ泣いてんのに本気で出てこうとしてて、腕をつかむ俺を離そうとして全身で抵抗してる

「離して‼‼」

「落ち着け‼‼」










「いやっ!!離してっ‼‼一緒にいたくないっ‼‼‼」




あまりにストレートで強い拒絶で一瞬ひるんだ隙に、みさきは俺を振りほどいてすり抜けるようにドアの隙間から部屋を出て行った。



とにかく一人にはできねぇ


カードキーとスマホだけもって部屋を出たけど、部屋がエレベーターに近いせいで、既にみさきは乗った後だった。



やみくもに探しても埒が明かねぇ

みさきのことだから、邪魔したくねぇってあいつらのとこには行かねぇ気がする

行くとすれば…
















多分……





あのバッグを買った時に聞いてた連絡先にかけるとすぐに声が聞こえた


『なによ』

『みさきと揉めちまって…』

『こっち来るって言うから迎えを出したわよ』

よかった……
とにかく一人にさせたくねぇ

『ホテルは?』

『ハイアット…あ、今迎えのがみさきを乗せたみたいね』

目と鼻の先だ。
タクシーよりも走った方が早いな…

『迎えに行くからそこで引き留めてくれ』

『来ないで頂戴。今夜はこっちで預かるわ』

『ふざけんな!』

『それはこっちのセリフ。あのバカ女何とかしなさいよ!!』


切られた……

何とかしろってどうすりゃいいんだよ…

それに今はそんなことよりも、みさきがあんな取り乱した理由を聞かねぇことには何も始まらねぇ。

とにかくハイアットで一部屋押さえてあっち行くしかねぇ

この週末で空きなんてあんのかよ……


クソッ‼‼
なんでこんなことになっちまうんだよ



追いかけようとしたけど、とりあえず部屋に戻ってハイアットに電話を入れると空きがあって、そこを押さえて、向こうに行くための用意をしてると部屋のチャイムが鳴った。



なんだよこんな時に…
勘弁しろよ…

シカトしようかとも思ったけど、一応スコープを覗くと火神だった
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