第21章 bombshell
抱きしめてもらうと、さっきまでの不安やドロドロした独占欲がなだめられていく気がした
だけど独占欲は質が変わるだけで弱くなったわけじゃない
この腕に抱きしめられてキスされるのはあたしだけじゃなきゃいや
ずっとこうしてたい
だけど時間は待ってくれない。
チャイムが鳴ってみんなが部屋に来たから、奥の部屋で全員で出かける用意を始めた。
この後のオープニングディナーも大切な仕事。
それぞれに着替えをして、シャツのリボンを結ぼうと鏡を覗くと、とてもじゃないけど緩くリボンを結んでは行かれない
さっきのお仕置きのせいだ
またこんなに目立つところにたくさんつけて‼
全部隠す時間なんてとてもじゃないけどないし絶対みんなにもばれた。
もうすっごい恥ずかしい…
シャツはリボンが首元でアレンジできるタイプだからアメリカンスリーブっぽくして後ろで結んで誤魔化そう
せっかく前で緩く結ぼうと思ってたのに‼
みんなの用意もあるし食事だから髪はまとめたくて、ざっくり巻いてポニーテールに結んで、いつもとは気分を変えて前髪を付けた
「「「可愛い~」」」
「リアルリカちゃん!」
たまに使うこの付け前髪は割とお気に入りで、さつきと美緒にもすっごい好評で、美緒はこれをリカちゃんって言う。
髪型に合うようにメイクを足して、タイトな黒のミモレ丈のスカートとパットがプレゼントしてくれたヒールに、ほとんど物が入らないクラッチバック
今日から頑張りましょうって意味での食事会だから、そんなに気張ってなくていいしカジュアルな感じでいいけど少しはしゃきっとしてたい。
青峰君が贈ってくれたピアスとネックレスはお気に入りで、季節関係なく付けてるから今日もそれ
さっきまであんなにいっぱいキスマークを付けたことを怒ろうと思ってたのに…
もらったネックレスをつけると、こうやって服の上に着けるのも上品でかわいいなって気づいて、さっきまでとは180度考えが変わってしまう。
星が大好きだからこのネックレスもピアスも大活躍してくれてる。
青峰君があたしに好きだって言ってくれたのも満点の星空の下だった
最初の時はいい反応をができなかったけど記憶を取り戻したときはちゃんと本心を伝えられた。
だからあたしはやっぱり星が大好き。