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最愛 【黒子のバスケ】

第21章 bombshell


「ひとつ…わがまま聞いてくれる?」

「ん?」

「……たかいたかい、してほしい」


優しくしてもらって大事にしてもらってるって分かってる。

だけど欲求の塊のあたしは、この子供じみたわがままを聞いてもらえることで自分だけを甘やかしてほしいって欲求を満たしてる。


甘えたで独占欲が強くてヤキモチ妬きなあたしが、ドロドロした醜い自分を隠すための子供じみたわがまま。



「いいぜ。こっち来いよ」


笑ってカウチから立ち上がって、リビングの広いところで手を広げてくれたから、その腕の中に飛び込んだ

勢いよくあたしを抱き上げてくれて一番高いところで止めてくれた

「たかーい‼‼」

「ははは‼‼お前なんでこんなん好きなんだよ」


だって…こんなことして甘やかしてくれるの青峰君だけなんだもん

「高いところが好きなの」

高ければ誰でもいいってことじゃない。
青峰君がいい


「いくぞ」

「うん!」



青峰君と目が合って少し低い位置からあたしを上に向かって投げてくれた


「キャー!たかいたかーい」

「たかいたかーい‼‼」


すっごい楽しい。

さっきまでカレンさんのことで不安になって落ち込んでたのなんて頭の中から吹き飛ぶほどに楽しい


青峰君を見ると青峰君も笑っててさらに楽しくなった


「たかいたかーい‼‼」


何度放り投げてもらったんだろう…

投げる高さが少し低くなって青峰君の息が上がってきたからありがとうって言おうとしたら最後にすごい高く投げてくれた


「キャーっ‼‼たかーい」


「はぁ…はぁ…はぁ………  あ゛ー…疲れた…」


青峰君はいつも運動してても息なんて上がらないけどさすがに40キロ弱のものを何度も放り投げればそれは疲れる


だけど疲れたって言いながらも笑ってて、あたしを腕に座らせるように抱っこしてくれてる


「ありがとう。もう降りる」

「降ろさねぇよ」


ニヤッと意地悪く笑ってそのままカウチに座ってぎゅっと抱きしめてくれた



「愛してる。お前だけだ」

不安な気持ちを見透かされてるみたい

だけどあたしは青峰君の言葉を信じてる


それにあたしだって……

あたしだって青峰君だけ


だから今度こそそれを言おうと思ったのにチャイムが鳴ってまた言うことができなかった
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