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最愛 【黒子のバスケ】

第21章 bombshell


お見送りの後寂しくなるってことはわかってた


だけど寂しがってばっかりいられない。

少しでも誇れる自分になるために、やるべきことは山ほどあって、いくら時間があったって足りないくらいなんだから







「本当によく頑張りました。リハビリは本日で終了です」


青峰君たちを見送った後、あたしはすべてのリハビリのカリキュラムを終えた。

リコさんのところと同時進行だったから、もうヒールを履いてきちんと歩ける。


リハビリを終えたら応接にって言われていて、普段なら患者は入らない最上階の応接室に行くと、真太郎と幸太郎先生、玲子先生と水川先生、リハビリの先生と知らない男性職員がそこにいた。


「この度は当院の医療ミスにより、身体、精神共に大変な負担を強いてしまったこと、黒須さんご本人はもちろん、関係各所にも多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び致します。誠に申し訳ありませんでした。本日をもって全快ということで各科から報告を受けていますが、何かあればすぐに連絡をお願いします」


真太郎のパパの言葉に全員が深く頭を下げてくれたけど、あたしはこの人たちに助けてもらった。

謝ってほしいなんて全く思ってない。

精神的な疼痛だって言って検査をしてくれなかった執刀医の先生にはちょっと怒ってるけど、11年前に死にかけたあたしを助けたのは、間違いなくあの先生だった。

だからあたしはこの件で誰も責めるつもりはない。


責める相手は、すべての根源であるあの男たちだけだから。



あの事があった後、精神的に未熟だったことで、自分の状況を周りに八つ当たりすることでしかつらい気持ちを和らげることができなかった。


だけどその時パパに言われた。


物事の本質を見誤るな
うまく歩けないことをおばあちゃんに当たるのは間違ってる
お前が怒っていい相手は加害者とパパとママだけだ

親は子供を守る義務がある。それを放棄したパパとママはお前に責められて当然だ。
だけどそれ以外の人には何の責任もないってことを忘れるな



厳しいパパだから叱られることは多かったけど、この時は諭すように言い聞かせるように話してくれたからあたしもきちんと聞けた。
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