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最愛 【黒子のバスケ】

第21章 bombshell


「私は歳が下でも自分よりうまいと思っている人の技術はいつだって盗みたい。それが私の仕事に対するプライドです」


選考の時、あたしの心を見透かすように放たれたこの言葉にあたしは痺れた。
彼女のプライドはかっこいいと思った。

だから迷うことなく彼女に入ってもらった


残りの女性モデルさんの担当も発表してそれぞれが資料を受け取って担当が決定した。



「今日はこれで解散となります。私は入りが少し遅れますが連絡はつきますので、何かあればいつでも連絡ください。よろしくお願いいたします。」

【よろしくお願いいたします】


現場チーフは何度もやってきた。

だけどこのメイクは日本だけじゃなくてアメリカ、イタリア、フランスでも使われる


今までとは比較にならないほどの緊張だった



BOSSにはもう資料も送ってあるし色合わせをしてくださいなんて言う必要はない。

あたしに仕事を教えてくれたのは紛れもないパットなんだからあたしに言われなくても完ぺきにやるって分かってる



待っててくれたさつきと美緒と一緒に帰ることにしてお家でご飯を作る係をしてくれてる大我に連絡を入れた


「今から帰るんだけど、今日さつきと美緒も一緒なの。ご飯ある?」

「ある。逆に助……あ!ぉぃっ!しっぽ…〇△□✕%※……」

なんか電話の向こうで大我がなんか言ってるけど声が遠くてよく聞こえない。

「え?何??」

「いや、こっちの話だ。飯あるから全員で帰ってこい」

「うん。青峰君いる?」

「あぁ」


青峰君に何か用事があるってことじゃないけど仕事が終わったらすぐに声が聞きたい。

大我に電話を替わってもらって大好きな人の声が耳に届くのを待ち構えた



「仕事終わったか?」

「うん。今から帰ります。何か欲しいものある?」

「大丈夫だ。気をつけてな」

「うん。あとでね」

「あぁ」


優しい声が仕事の緊張をほぐして解放してくれる

幸せすぎて頬が緩むのは仕方がないことなの



電話を切って車を出すとさつきと美緒がニタニタ笑って顔を見合わせた後あたしを見てる


「な…な、なに…?」

「なーにそんなかわいいことしてんのー?」

「お家でただいまでいいじゃん」




「…二人だってよく仕事終わった後電話するじゃん……」
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