第21章 bombshell
「あたしが大我の実家に入り浸ってたって前に言ったの覚えてる?」
「あぁ」
「あの時、あたしは多くはなかったけど仕事をもらえてて報酬もあったの。だけど大我はまだ選手じゃなかったから報酬はなくて、何とかって選手のデザインでプレミアがついたバッシュがあって、発売と同時に完売で大我は買えなかった」
今ではあたしとは比較にならない程の報酬を得てる大我だけど、最初に自分の報酬をもらったのはあたしのほうが早かった。
最初の報酬は家族と大我に使ったけどそのあとの報酬は使い道もないからメイク道具と生活費以外は全部貯金になってた
「だけど、何足も買って、新品のまま信じられない金額で転売してた人がいて、ちょうどその中に大我のサイズがあったの。あたしは大我が絶対にNBAの選手になれるって信じてたし、頑張ってほしいって思ってたからそれを大我に贈ったの」
大我はびっくりしてたけどすごい喜んでくれて、でも結局履くのがもったいないって言って履いてはくれなかったけど、ずっと目に入るとこに飾ってくれてた
「それって、あのシカゴのあいつの家にあったアースカラーのバッシュのことか?」
「うん!それそれ!大我は赤のイメージが強かったんだけどあれが出るって知ってからずっと欲しがってたの」
そのバッシュはベースカラーの黒に特殊な加工がしてあって、角度によって青っぽく見えたりして色が変わる。
星を散りばめたような小さな銀がアクセントになっていて、星空みたいで、見てるだけでもきれいなデザインだった
プレゼントしたときはすごく驚いてたけど、必ずNBAの選手になるって約束した。
「これをプレゼントするから大我も選手になれたらでっかいエビ食べに連れて行ってねってお願いしておいたら、いろいろ調べてくれて地中海周りの旅行をプレゼントしてくれたの。まさかそんな豪華なお返しをもらっちゃうなんて思ってもいなかったんだけどね、お礼だからって連れて行ってくれたの」
あたしは国内でおいしいエビ料理を食べれたらそれでよかったのに、大我はすごい大それたお返しをしてくれて、自分ももっと頑張って今度は仕事でイタリアに行きたいって目標ができた