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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


side青峰

「忘れ物ねぇか?」

「うん」


みさきが用意してくれた誕生日は最高だった

近場なのに全然違うとこに行ったような気がした


「帰りは俺が運転する」

「ダメだよ。お家に帰るまでがお誕生日だもん」


なんだそりゃ(笑)
家に帰るまでが遠足ってことか?


けどみさきがそうしてくれんなら今日だけはそうさせてもらう


みさきは朝からずっと言ってた


「お誕生日の人が一番偉いんだよ。だから今日は青峰君の日だから何でも言っていいんだよ」


すげぇ子供っぽいこと言ってんなって思うのに楽しそうに笑うみさきを見てると俺もすげぇ楽しくて自然と笑ってた。


NYで初めて感じた女といて楽しいって感覚はきっとみさきとだから味わえることで他じゃ満たされねぇ



「ねぇねぇ…お家着いたらお誕生日終わっちゃうんだよ。なんかあたしにしてほしいことない?」


もうあれ以上なにをしてほしくなりゃ気が済むんだよ…(笑)
充分に決まってんだろ


けど…

そう言ってくれんなら俺は遠慮しねぇけどな


「ある」

「何でも言って!」


何でそんな嬉しそうに言うんだよ(笑)
自分がしてもらうんじゃなくてする側なのにみさきはすっげぇニコニコしてる


「紫原の店回ってくんね?」

「あ…もしかしてお誕生日はケーキ食べる派だった…?」

みさきは俺が甘いものを避けてるってのを知ってて今回もアルコールと砂糖は抜いたものを頼んでくれてた。


それに俺も別にケーキを食いたいわけじゃねぇ
今はあいつのとこでしか手に入れられねぇからあいつのとこに行ってほしいだけだ


「そうじゃねぇよ。今急に食いたくなった」

「じゃあ青峰君が選んであたしがお会計の係ね!」

ヤダね。
そんな事させる訳ねぇだろ(笑)

「いや、なんか誕生日だから紫原がおごってくれるっつってた」

「わー!そうなんだ!よかったね‼嬉しいね」


みさきは自分の事でもねぇのにすっげぇ嬉しそうに紫原の店に回ってくれた



「悪りぃけど車で待てるか?」

「うん!急がなくていいからね」


みさきを車に残して店に入ると連絡しておいた紫原が箱を持って出てきた




「峰ちんおそーい」
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