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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


青峰君の言葉に不安だった気持ちが取り払われて、ゆっくりと背中のケアをしてくれる手が心地よくて、これじゃどっちがお誕生日なのか分からない。


来年の今頃はもっと青峰君の事知れてるよね

28回目が一番よかったって言ってくれたけど、29回目も30回目も毎年新しい一番を感じてほしい


当日に一緒に過ごせるのは今年だけかもしれないけど、来年も、再来年も、その先もずっと、あたしはあなたが生まれてきてくれた8月31日っていう特別な日をお祝いしていきたい




背中全体がお気に入りのボディバターで包まれて肌が潤うと、青峰君の温かい手が背中から離れて、首の後ろにに優しく触れるだけのキスが落とされる


これは全部塗り終わったって合図



「塗れてねぇとこあるか?」

「ううん。ありがとう」


もっとしててほしかった


あたしは背中に触られるのが好きなんだと思う

寝起きに背中を撫でられるのが好きっていうのは昔からだったけど、普通にハグしてる時も背中を撫でてほしくなる時がある。


後ろからぎゅってされた時に、青峰君の上半身がぴったりくっついて包み込まれるような守られるようなあの感じもすごく好き


浴衣を直してくれようとする青峰君の手を止めて、暗がりで顔が見られないのをいいことに触れてたいって気持ちを伝えた



「ちょっとだけ…このままぎゅして…」


自分で言った言葉なのにどんどん顔が熱を持っていくのが分かってとてつもなく恥ずかしい

だけど初めて背中のお手入れをしてもらった時、急なことでびっくりしたのは確かだったけど、あたしが服を着ていない分いつもよりも青峰君の体温が伝わってすごく幸せだった


何も言わなかったけど青峰君がぎゅっとあたしを抱きしめてくれて、広めに開いた浴衣の袷の隙間から青峰君の素肌と触れるのが分かった


ドキドキしすぎてあたしの心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかって思う程に体温を感じられた


あの時は触られる手が生ぬるくて気持ち悪くて怖かった

でも今は、お腹にある手も背中に触れる硬い胸板も全部全部あったかくて心地よくて……



何よりも幸せだった




心が…あったかい



恋愛をするのは脳だけじゃない


きっと心でだってちゃんと恋してる
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