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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


side 青峰


泣きそうな顔で何を言い出すかと思えば…

見当違いもいいとこだ


ここまでしてくれる女なんてお前だけだっつーの


「俺はすげぇ嬉しかった。この部屋で一緒にゆっくりできてお前が祝ってくれて、これ以上求めるもんなんて何もねぇのにこうやってプレゼントまで用意してくれて、28回の誕生日の中で今日が最高だ。だから“しか”なんて思うな」

「…あたしが…ゆっくりしたかったの。もうすぐ青峰君はロスに戻っちゃうから、どうしても青峰君とゆっくりしたかったの」


「お前との時間が俺にとって最高のプレゼントだ」


バスケでそれなりに名前が知れたことで、みさきと出かけてても知らねぇ奴に声をかけられたりするせいで、外でゆっくり過ごすってのは難しかった。

けど、家で過ごせばみさきは俺の為に食事を作ったり風呂を用意したり、何かとやらせちまうことが多かった

こんなこと言うなんてすげぇハズいけど、鈍感なみさきにはオブラートに包んでたら全く伝わらねぇから、思ったことをストレートに伝えると泣きそうな顔をやっと引っ込めて小さく笑った

あー可愛い

すげぇキスしたくなる


けど、今すんのはヤベェ



「背中やるか?」

「うん。お願いします」



いつもならガウンで、その下も着てるからいいけど今日は浴衣で素肌に着てる

「ちょっと待ってろ」

「うん」


部屋をでてバスルームにあるタオルを持って戻るとデカいベッドに小さいみさきが座ってる


「タオル、あった方がいいだろ?」

「あ…ありがとう」

受け取ったみさきの表情が柔らかく崩れて持ってきて正解だった

見ちまったら触りたくなっちまうし触っちまったらもっと先が欲しくなる

ゆっくりでも進めてる今、とにかくみさきを怖がらせたくねぇ


脚の間に挟んでしばらく抱きしめてるとみさきの呼吸が落ち着いたのが分かって、帯に手をかけるとさっき俺の渡したタオルを胸に当てて深呼吸したのが聞こえた


「大丈夫か?」

「ぅん。大丈夫」


みさきの反応に全神経を集中させて本心を言ってんのかちゃんと見極めねぇと…

クリームを手に取って、黄瀬に言われた通りにちゃんと温めてから華奢な背中に伸ばすとみさきが大きく息を吐いた



「青峰君の手、あったかーい」


少し振り向いた顔の口元は笑っててさっきの大丈夫が本当だったことに安堵した
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