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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


side 青峰


みさきが風呂から出るまではリビングで待つつもりだった

だけどさっきベッドにみさきを連れ込んだせいでふかふかだった上掛けを押しつぶしちまったからそれを直しときたかった


寝るのが好きなみさきはいつもベッドをすげぇ綺麗にしてたからそれくらいのことはしたかった

今回俺はマジで何もしてやれてねぇ
仕事だってリハビリだってトレーニングだってあって忙しいのに、こんなに色々考えてしてくれたみさきをせめて快適に寝かせてやりたかった





寝室に入ってベッドの上掛けに手をかけようとしたとき、さっきは確実になかった黒い袋が右側のサイドテーブルに置かれてるのに気づいた

ホテルが用意したもんじゃねぇなんてことはその袋を見りゃ一目瞭然だった



みさきだな…

ホントやってくれる…

今日だけで何回驚かせりゃ気が済むんだよ


これ程誕生日を祝われたことはなかった
みさきが色々考えてやってくれたことがすげぇ嬉しくて、誰にも見られてねぇのに緩んだ口元を隠して、夜風が通る窓際の一人掛けにしては無駄に余裕のあるカウチに体を預けた


ホント…なんでだろうな…

みさきなら、誰と付き合ったってこうやって相手を喜ばせる

俺みてぇにいつも一緒にいてやれねぇ男より、いつもそばにいられて、尚且つ俺なんかよりいい男とだっていくらでも付き合える


それなのに俺を選んでくれて俺の為にいろんなことをしてくれる
見返りなんて何も求めずに俺を喜ばせることだけを考えてくれてる


堪んねぇな…



知り合ってから付き合うまでに知ったみさきと付き合ってから知ったみさき

すげぇ可愛いことに変わりはねぇけど今の方が愛しいって感じる



今までとは真逆だった


別れるときはいつも、付き合い始めた理由すら分からなくなるくれぇ相手のことなんてどうでもよくなっちまってた

付き合ってから知るカオを好きだと思えなかった

間違いなく俺にも悪りぃとこがあんのに、自分を変えてまで関係を続けてぇと思えなかった


けど、みさきとはどんなことがあっても一緒にいてぇ

どんだけ今までの自分を覆すことになっても、みさきと離れるなんて考えらんねぇ




知り合った時よりも、惚れたって自覚した時よりも、付き合い始めた時よりも…



今この瞬間の方がみさきって女が好きで大事にしてぇって思ってる
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