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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


デザートを食べ終えてから、部屋着のままで出れる部屋付きの中庭に出ると、都内の喧騒を全く感じさせない緑が豊かな心落ち着く造りで月がすごく綺麗に見えた


「綺麗な三日月だね」

「だな」


砂利を踏みながらゆっくりお庭を歩いて、時々月を見て目が合ったらキスして…

アメリカでは外でキスっていうのはそんなに珍しいって訳じゃないけど、日本だとそんなことしてる人は見たことがない。


人目がないからって外でキスなんてしていいのかなって思うけど、流されちゃう


だって嫌じゃないから

たくさんたくさんキスをしてほしいから


後ろからぎゅってしてもらってお腹にある青峰君の大きな手に自分の手を重ねると頬にキスをしてくれて




振り向いたあたしの唇にもそっとキスをしてくれた


「色々ありがとな」

「ううん。あたしがしたかったの」

「すげぇ嬉しい」



あたしも嬉しい

つたないあたしのプランに喜んでくれて、たくさんキスしてくれる青峰君が大好きで大好きでどうしようもない


離れるのが寂しい


でも、どんなに一緒にいる時間が少なくても、どれだけ距離が離れててもあたしは青峰君をずっと想ってる


体の向きを変えて青峰君の首に手を伸ばして、高い身長をかがめてもらえるように少し腕に力を入れると、あたしの大好きな青峰君の顔が一気に近くなった




それでも少しだけ遠くて足りない距離を埋めるように目いっぱい背伸びをして、唇を重ねた




自分からするのはやっぱり恥ずかしくて、一瞬で離そうとした唇は離すことができなかった




力強い腕が腰に巻き付いて、大きくてあったかい手があたしの頭をしっかり押さえこんで、息もできない程ピッタリと隙間なく重なった



苦しくて青峰君の服をぎゅっと掴むと一瞬だけ離れて、またすぐに重なって…



少しだけ開いたあたしの唇を探るように優しく撫でるのは、唇とは違う暖かさだった

あの時は少し怖くて力が入ってしまったけど、今はもうそんな事少しも思わない


もっと…

もっとして欲しい

恥ずかしさよりも、もっと深く繋がりたいって思いの方が強くて、少し唇を開くと、暖かく濡れた柔らかい舌がそっと差し込まれた。
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