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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


日が沈んで辺りが薄暗くなって、中庭がライトアップされると同時に夕食が運ばれて、二人でノンアルコールで乾杯した


「28歳もたくさん活躍できるように応援してます」

「ありがとな」


もう何度目かになるおめでとうを伝えると、優しく笑ってくれてグラスが合わさる音が部屋に静かに響いた


味はもちろん、見た目も芸術的なお料理にふたりで感動して、見たことのない形の創作料理をどうやって食べるんだろうって笑い合って、正しいのか分からないけど美味しいねって言って一緒に食べた。


ここのシェフはなんとかって世界大会でも賞を取るような有名なシェフで、無形文化遺産に登録された和食に、フレンチの要素を取り入れた独創的なお料理で、各国のお客様からも大好評だって宣伝してるだけあって、どのお料理もすごく美味しかった


「青峰君って抹茶飲める?」

「あぁ。結構好きだな」

意外…
苦いから嫌いって言うのかと思ってた。


食後には本格的な抹茶を立ててくれるサービスもあって、食事を下げてもらってからお願いするとデザートも一緒に持ってきてくれた


「こちらのデザートはチョコレートドームになっておりますが、お砂糖を使用していませんのでこちらの暖かいメープルソースをお好みでかけお召し上がりくださいませ」


お砂糖とアルコールを抜いてくださいってお願いしたからデザートはないと思ってたのに…

お茶をたててくれた仲居さんがにっこりと笑って部屋を出て行ってから、二人でそのまんまるのドームを眺めてメープルソースを青峰君にかけてもらうと溶けたドームの中からいろんな種類のベリーが出てきた


「すごーい!!」

「すげーな」

デザートはないってずっと思ってたのに、見たこともないようなデザートにあたしも感動しちゃった。


やっぱりおもてなしが高評価のお宿にして本当によかった
デザートの甘みと抹茶のまろやかな苦みがちょうどいい


抹茶の飲み方は正しいのがあるみたいだけど、そういうのは気にせずに日本の文化を楽しんでほしいっていうのがお宿の考え方らしく、正しく飲めなくても人目も気にならなかった
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