• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


季節はもう秋口なんだけどやっぱりまだまだ暑くて、夕方なのに気温は下がらない。

エアコンの効いた部屋に戻ると、うっすらと浮かんでた汗が引いて火照った顔も冷やしてくれる


二人きりで過ごすこの空間は、特に何かをするわけでもないのに特別で、幸せに感じた


青峰君のお誕生日なのにあたしがこんなに幸せでいいのかな?


好きな人の誕生日をそばでお祝いできるってことがすごく幸せだった
去年サングラスをプレゼントした時はこんな風になるなんて思ってなかった



あの時よりもたくさん青峰君のことを知って、あの時よりもずっとずっと大好きになった



いつもよりゆっくり時間が過ぎるような感覚で、部屋の窓から見える綺麗にお手入れされた日本庭園を一緒に眺めて、冷たい日本茶を飲みながら日が沈むのをぼーっと見てる


NYのホテルから見えるサンセットとは違う風情のある夕暮れ


「こういうの、なんかいいな」

「うん。なんか日本って感じするね」

「あぁ」


あの事があった後あたしは日本が嫌いだった
3/4は日本人なのに日本が嫌いだった


日本の空気も匂いも
特に春はあの事を思い出すから桜は大嫌いだった。

抜けるように青い空と桜を見ると気分が落ち込んだ


だけど今年みんなで行った軽井沢で見た桜は心の底から綺麗だと思えた


青峰君と一緒に見る景色はいつも綺麗だって感じられた
だから今は桜も嫌いだとは思わなくなった

それに、さつきも美緒もいてくれるから、今は日本が自分のいるべき場所だなって思えるようになった。


日本にはアメリカやヨーロッパとは全く違う魅力がある。


だから、これからアメリカに戻る青峰君に、なんか日本っぽいことをしてほしいっていうのもあった。

元々日本で生活してたから、新鮮っていうよりは懐かしいって感じになるのかもしれないけど、アメリカに戻っちゃったらこういうのは体感できないから、せっかく日本で一緒に過ごせるならこういうのもありかなって思って選んだから、いいって思ってもらえてよかった。



きっと青峰君はもっともっと素敵な誕生日を過ごしてきたと思うけど、今はあたしのプランに一緒に付き合ってくれて、くつろぐ姿を見れたのがすごく嬉しかった
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp