第20章 28
このお宿にしてよかった。
館内では人目も全く気にならないしお部屋は広くて畳のいい匂いがする
大好きな人と畳でころころしながらくつろいで本当に何もせずにただただゆっくりしてる
「あー畳いいわー」
「ねー。うちの実家も畳欲しい」
雰囲気のせいなのか会話もいつもよりゆっくりでいつもと変わらないのはキスだけ
会話の合間にも何度も何度もキスをするところだけはいつもと変わらない
「お前の実家に畳あったらおかしいだろ」
「やっぱりそう思う?でも青峰君の実家は畳あるでしょー?」
「あるな。使ってねぇけど」
日本のお家にはアメリカで言うとこのゲストルームみたいな感じで客間っていうのがあってそれが畳のお部屋だって教えてくれた。
「でも赤ちゃんの時畳のお部屋で寝てる写真あったね」
「あー。ガキの頃はよくあの部屋で昼寝してた。あの部屋が一番涼しいんだよ」
この間行った時にさつきと青峰君のお母さんが見せてくれた青峰君が小さい頃の写真。
さつきと一緒に撮ってあるのが結構たくさんあって、さつきと青峰君は本当にあたしと大我みたいにずっと一緒に大きくなってきたんだなって思って微笑ましかった
さつきは小さい頃からやっぱり可愛かった
青峰君は今はこんなにかっこいいのに小さい時は可愛かった
自分より大きなバスケットボールを持っててやっぱり日焼けはしてて色黒だった
バスケットボールと寝てるのもすっごくかわいくてどさくさに紛れて何度も見ちゃった
「小さい時の青峰君ってすごく可愛かった」
「可愛くねぇよ。すげーいたずらでごみ箱ゴール代わりにしてひっくり返したり、近所の猫追いかけまわして捕まえて噛まれたり、セミやらザリガニ捕まえて持ち帰ったり、マジでいたずらばっかしてたらしい」
知ってるよ。
聞いたもん
でも手が付けられない程いたずらっ子だったから手がかかった分こうやって面白い思い出がいっぱいあるんだって楽しそうに話してくれた
青峰君はネロ君と遊んでて聞いてなかったのかもしれないけど、あたしは小さい時の思い出話を聞かせてもらった
「でも、NBAに行けたのはお母さんの説得じゃなくて実力だよ。実力でお父さんに認めてもらったからなんだよ。
ちょっとこっち来て」
今日は青峰君のお誕生日だけどそれともう1つお祝いしたいことがあった