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最愛 【黒子のバスケ】

第20章 28


青峰君からの連絡を受けて黒須さんのマンションに到着すると、すごくいいタイミングで黄瀬君と合流できてラッキーでした。


チャイムを鳴らして起こしてしまっては可哀想ですから


部屋に入れていただいてリビングに入ると、ぼーっと座るさつき
本当に寝起きで、まだ夢うつつみたいな顔をしていてすごく可愛かった



「お迎えに来ました」

「あ、テツくん…お仕事もう終わったの?」

寝ていたせいか時間がよく分かっていないのか、“もう”なんて言っていますが既に時間は8時近く

「はい。終わりました。お待たせしてしまいましたね」

「ううん…いいの。おつかれさまぁ」


本当なら今日は朝からデートの約束だったのに、1週間前に急に仕事になってしまって夜だけしか会えなくなってしまったにもかかわらず、笑顔で送り出してくれたさつきのところにもっと早く戻ってきたかった。


いつもは明るくてハキハキしたさつきの、緩くてふわふわの寝起きはとてもとても可愛くて思わず抱きしめた



「これ掛けてくれたのみさき?」

「進藤さんと同じことを言うんですね。でも、青峰君ですよ」

「そっかぁ。大ちゃんありがとう」


こんなかわいい顔でお礼を言われるなら僕がかけてあげたかった


「いいけどなんで床で寝んだよ。体痛てぇだろ」


いつもはすぐに言い合いになるこの二人ですが、やはり幼馴染の間には二人だけの確かな関係がある
でもそれに嫉妬したりはしない

青峰君を支え続けたのは他の誰でもなくさつきで、さつきあっての青峰君だと思っていますから

それに僕がさつきと付き合うまでは、ずっと青峰君がさつきを守っていてくれたので、青峰君あってのさつきだとも思っています


「うーん…なんでだろ。寝ちゃった」

「テツに心配かけんなよ」

「うん」


そして……

まだ床で眠っているこの空間で一番小柄な女性


ピクリと動いてから、小さくため息を吐いて開かれた目が青峰君を捉えると、口元が本当に嬉しそうにカーブを描いた


火神君をずっと陰で支え続けた、青峰君をこれから支え続ける特別な存在


起き上がる黒須さんに、青峰君が優しい視線を向けて
なんの躊躇もなく長い腕で彼女を包み込んで、タオルケットを背中側から体に巻くようにかけた


少し見えた首には間違いなく青峰君が付けたものが見えた
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