第20章 28
みさきがお粥っつった時の正直な感想は“ゲ…俺食えねぇ”だったのに、テーブルで見たそれはめちゃくちゃうまそうだった。
エビ、ホタテ、白身魚、カニ、卵の白身が入ってて、よく中華で入ってる緑の葉っぱも入っててみさきにとってはこれがお粥らしい。
LAのみさきの実家でもそうだったけど、普通の日の食事でもいちいち旨いしいちいち豪華。
みさきの食生活の“普通”ははっきり言って全く普通ではねぇ。
あんまり好きじゃねぇとか言って他のもんを作らせたくせして、みさきからお粥を取る俺に、嬉しそうに笑って半分くれて、手の込んだ焼きおにぎりになってるビビンバもみさきと一緒に食った
どっちもすげぇうまかった
こんなわがままなことしてんのにみさきはずっと笑っててくれて、一緒に食えるのがすげぇ楽しい。
みさきは作るのが大変だろうけど家で食えてよかった。
俺は外食より断然みさきの飯がいい。
バランスもいいし味もうまいし、調味料とかも全部気を使ってくれてて、何を食っても次の日に体が重くなるってことが一切ねぇ。
完璧な食事だった
高校んときみさきが飯を作ってたってことは、火神は現役のNBAの理想とされる食生活を高校から実践できてたってことになる
フィジカルが優秀な訳だよな…
火神は体重と体脂肪をコントロールすんのがすげぇうめぇけど、みさきが食事管理してたんなら納得だ
当然本人の努力もあるけど、体を作ってんのは食ったものだから食事の影響はかなりある。
飯を食い終わって寝る用意を済ませてから、長い昼寝で眠くねぇからリビングでみさきを脚の間に入れてくつろいでると可愛い顔して俺に振り返ってきた
「青峰君、あたし明後日さつきたちと出かけるんだけど、青峰君お仕事でしょ?もしよかったらお昼持っていく?」
「作ってくれんの?」
「うん!何か食べたいものある?」
「お前が作ってくれんなら何でもいい」
すげぇ嬉しい。
みさきが休みなのに俺が仕事で、一緒にいられねぇのがすっげぇヤだったけど頑張れそうだわ。
「じゃあ、なるべくおいしく作るのでお仕事頑張ってください!」
あーもー
なんでお前はそんなに可愛いんだよ
ベッド行くの決定
死ぬほど可愛い
抱き上げるとびっくりしたのか、すぐ俺に掴まるみさきを寝室に連れて行って迷わずに唇を重ねた