第19章 甘い時間
怒らせた。
「…ごめんなさい」
「分かればいい。荒くして悪かった」
いつもよりは確かに荒かったけど、あたしを押さえつけたりするわけじゃなくて抵抗すれば絶対に逃げられた。
青峰君はあたしが怖いことは絶対にしない
「ううん。青峰君だから大丈夫」
ぎゅっと優しく抱きしめて、もう一度、優しく触れるようにキスをしてから洗面台からあたしを降ろしてくれた。
とにかくクレンジングの続きを……
って……
ナニコレ
確かに何度もチクってしたよ。
だけど、こんなに目立つとこにこんなに濃くて大量に付けるなんて
「あの、青峰君…」
「今回は謝んねぇからな」
「今回はって…いつも謝らないじゃん‼‼お仕事の時だって控室で付けちゃうし!こんなに付けてたらすっごい恥ずかしい‼」
「お前が悪りぃんだろ。それはお仕置きだ。俺を疑ったバツ。同じ目に遭いたくなきゃもう二度とバカなこと考えんな」
「お仕置きって…じゃああたしもお仕置きするから‼ベッドの撮影のチェックしてた時あたしの事からかったでしょ‼お仕置きするから‼」
「からかった?んな訳ねぇだろ。はい、お前また俺を疑った。お仕置きな」
「あっ…ダメッ…」
鏡越しにニヤリと意地悪く笑って、あっという間にあたしを捕まえたと思ったらすぐに首の後ろ側に唇の感覚とチクリとした痛み
「お前白いからすげぇ綺麗につく」
「もうだめっ‼‼」
お仕置きっていつからこんなに甘い行為になったの?
あたしの知ってるお仕置きと違いすぎる
「こんだけついてたらもう後いくつあっても変わらねぇだろ?」
何それ⁉
変わるよ‼‼
「ねぇっ…だめっ…あんッ」
ヤダヤダ
今すっごい変な声出しちゃった…
恥ずかしすぎるっ
青峰君がいろんなとこにキスするからあたしどんどんおかしくなってく
「今の声…かわい…」
「んっ…やっ……やぁんっ‼」
首筋を柔らかい舌でなぞるように触れられて、全身に電気が走ったみたいな感覚で、ついにその場に座り込んだ
あたし絶対顔赤い
ちょー恥ずかしい…
自分が自分じゃなくなっていくみたい
「ホント可愛い」
崩れたあたしを立たせて手の泡を流してからソファまで運んで座らせると優しいキスをくれた
「風呂入ってくる」
……