第19章 甘い時間
なんかあたしってホント守られてばっかりで、重荷になってないかなって不安になる。
マンションに着いてから青峰君の体のメイクを落としながらも色々と考えてしまう
「……き…おい、みさき‼」
「はい‼なんでしょうか!」
「泡、すげぇことになってる」
クレンジングを終えて泡をつくってたら、考え事をしてたせいか泡が洗面器を覆いつくしてものすごい量になってる
「どうした?言いてぇことあんじゃねぇの?」
あっという間にバレた…
なんですぐにバレちゃうの?
青峰君鋭すぎる
でも優しく聞かれるとあたしの口はすぐに開いてしまう
「…あたしと付き合うの、大変じゃない?」
「大変…だろうな」
やっぱり……
重荷になりたくないのに…
どうしたらいい?
嫌になっちゃった?
「すっげぇ会いたくても1.2時間じゃ会えねぇし、時差あるし、お前はすげぇ売れっ子で忙しいし、俺もシーズン中は移動もあるし。会うのも連絡取るのも楽ではねぇと思う」
「あの、そういうことじゃなくて…」
「またお前変なこと考えてんだろ。言っとくけど、俺はどれだけ大変だろうがお前を手放す気はねぇからな。俺がどれだけお前に惚れてるかまだ分かんねぇなら今から分からせてやる」
まだオイルをふき取っただけであたしの手も泡だらけなのに、そんな事お構いなしにいつもより腕を強く引っ張られて、あっという間に青峰君に包まれた。
「泡がっ…」
「黙ってろ」
いつもより棘のある低い声がして、あたしを洗面台乗せていつもよりきつく腰に腕が回って体を固定されて、噛みつくように荒いキスが落とされる
いつもならさせてくれる息継ぎもできない程に腰と頭を押さえられてクラクラする…
んっ…はっ…くるし…
首にもチクリと痛みがあって耳を噛まれてなめられてどんどんおかしくなっていく
あっ…んっ…やんっ…ひゃっ…
やっ…いたっ…
鎖骨に感じた痛みにビクリとすると、少し離れてそこを舐めてから、また何度も何度も口づけがされた。
手が泡だらけなことも忘れて青峰君にしがみつくと、さらに強く抱きしめられてあたしの服越しに青峰君の高めの体温が伝わってくる
少し呼吸の荒い青峰君がそのまま動きを止めて、最後に優しいキスをそっと唇に落としてくれた。
「俺はお前しかいねぇ。いい加減分かれ」