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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


ライアンと直接会える機会は少ないから、撮影の合間にもNYでの件を少し打ち合わせて青峰君が撮影を終えるのを待った。

ソファでの撮影も服を着た状態での撮影も一発でOKが出て、予定時間よりも早く撮影を終えることができた。

「メイクはオフして行きますか?」

「顔だけここでやってくけど体は家でやる」

「承知しました」


服には若干ついちゃうけどお家でゆっくりシャワーで流せた方が絶対に気持ちいい。

控室に戻って顔と首だけオフをして青峰君の帰宅の準備は整ったから、なるべく待たせないように手早く道具の片付けに取り掛かった。

「みさき、急がなくていい。いつも通りにやれ」

「でも、お待たせしてしまうので…」

「俺の仕事はさっき終わった。もう今はクライアントじゃなくてただのお前の男だ。俺はお前の仕事を尊重してぇ。俺を待たせてるからっていつもと手順を変えなくていい」

待たせるのは申し訳ないって思って、いつもなら一度ティッシュオフをするブラシを家に帰ってからやろうと思ってそのままケースにしまっていた。

一緒に仕事するのは初めてなのにどうして分かるんだろう

「あの、なんで?」

「スタジオに移動する前と違うだろ。時間が押してる訳じゃねぇし俺のことは気にすんな」

そんなところまで見ててくれたんだ…


大きな手があたしをぽんぽんって撫でて、優しい顔で笑ってくれた。

「ありがとう」

一度ケースに入れた筆を出して、すべてティッシュオフをして、ブラシ用の櫛でブラシを梳かしてケースに入れて、コスメのケースもいつも通りにすべてふき取ってからバッグに片付けた。


「お待たせしました」

「帰ろうぜ、みさき」

「うん!」


本当はスタジオを出るまでが仕事なのかもしれないけど…

一緒に駐車場に向かうために通路を歩くと、さっきのスタッフさんにばったり遭遇した。


マズい…


「青峰さん、黒須さんお疲れ様でした」

「お疲れさまでした」

「一緒に上がられるんですね」


目線が怖い
どう回避しよう…


「ここの現場はな。次も黒須サンに頼んでっから、一緒に移動した方が効率がいいってうちのエージェントに言われてな」

「そうだったんですね。でも黒須さん懲りた方がいいですよ。そういう事ばっかりして反感買うから黄瀬さんと撮られたんですから」

「…ご忠告ありがとうございます」
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