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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


リコさんのところに通うようになって体をうまく使えるようになったことでリハビリはすごく順調だった。

感覚は戻らなくても力の入れた時の感じを覚えてヒールも履けるようになった。


9月以降の仕事のスケジュールもありがたいことに埋まってきていて日常生活に戻れつつある。


3月に痙攣を起こして半年弱

沢山いろんなことがあったけどあたしはまた一つ壁を乗り越えられた。


家族、大我、青峰君、パット、お医者さん…たくさんの人に助けてもらって支えてもらった。




「行けるか?」

「はい!」

今日は青峰君の撮影のメイクをする。


いつもよりは低めのヒールを履いてメイクのバックを持って一緒に家を出た。


クライアントさんが運転って…

こういう撮影があるときは普通ならライアンと一緒にスタジオに入る

メイクのあたしの方が当然早く行くし、あたしと一緒に入れば青峰君はしばらく待機になっちゃうのに一緒にスタジオに入るって言ってくれて結局送ってもらうことになった。


もう何度も来てるこのスタジオ。


青峰君と控室で別れてから今日の撮影をするスタジオに入って照明を確認させてもらう。


ベッドは思った通りに白いシーツ

照明は結構強い

やっぱり少し体もシェーディングをしないと飛んじゃう



まだ早い時間にも関わらず協力をしてくれた照明さんにお礼をしてメイクの準備に取り掛かった。


緊張はする。


やっぱり好きな人だし体に触るから、完全に何も感じないってことはない。


だけど雑誌を見る人たちに青峰君のかっこよさをちゃんと伝えたいから、それができるって思ったからあたしは仕事を受けた。



ブラシを並べて今日使うメイク道具をひとつづつチェックしながら並べて髪をポニーテールに結ぶ。



部屋の温度を少しだけ上げて乾燥しないように加湿をして、まだ時間はあるけど用意はすべて整った。


「みさき。こっち来いよ」

あたしの動きがひと段落したのを見て青峰君があたしをソファに呼んでくれた。

あたしがどんなに仕事モードになりたくてもこんなに甘い声で呼ばれたらすんなりはいかない

「スタジオ入ったら、あたしの事名前で呼んじゃダメだからね」

「なんでだよ」


ちゅっ


ちゅっ


「んッもうっ!今は仕事に集中させてっ‼ここにいるときはキスは禁止!」
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