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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


何かを一生懸命のぞき込んでこしょこしょ声でしゃべってる。

何か秘密の話なら聞いたらいけないって思って、その場で声をかけた


「ねぇ…紅茶入ったし、みんなでケーキ食べよ?」


あたしの声に全員一瞬固まってから顔を上げて、あたしを見るさつきと美緒、振り向いた黄瀬君と黒子君


「…あの……な、なに?」

そんなびっくりしたような顔をされても、あたしがびっくりです。

何も言わないみんなを、あたしと青峰君も何も言わずに見てると、さつきがテーブルの真ん中にあった本をあたしに見せてくれた。


「みーちゃったー」

「あっ‼‼‼それダメッ‼‼」



しまった‼‼‼


いつもなら人が来る前に必ず仕事の部屋に隠すのに、今日は予想外に黄瀬君と美緒が早かったから隠し損ねたんだ。


さつきと美緒は必ずあたしの雑誌を読むから、絶対いつも忘れなかったのに、今日は青峰君のメイクのシミュレーションで頭がいっぱいで、すっかり忘れてた


「俺は止めた」

それはさっきも聞きました。

けど効果がなかったってことだよね。
大我は悪くないです…


「みさきっちモデルさんだったんすね」

「違うのっ。それは訳ありで…」


本物のモデルさんに言われること程恥ずかしいことはない。
あたしのそれなんてすっごくぎこちないだろうし…


「てか、大ちゃん驚かないの?」

「あぁ。知ってたからな。俺はお前らよりもみさきにくわしーんだよ」

「お前、何優越感に浸ってんだよ」

「優越感に浸るに決まってんだろ。つーかお前のそれ俺によこせ」

「はぁ⁉ヤダ」

「ハンナいんだからいいじゃねぇかよ。みさきは俺のなんだから寄越せ」

「本は俺のだ。永遠にな」

「てめぇそれわざと言ってんだろ」


あの、どっちでもいいけどさ
二人が言い合い始めたのをいいことに見続けるのやめてくれないかな

「このみさきちょーかわいい」

「分かる!この色すっごい似合ってる」


あ…アリガトウゴザイマス…

それはパットのメイクのお陰ですので



でももう恥ずかしすぎる


「あの、ケーキ食べない?」

「「食べる‼」」

「「食う」」

「食べます」

「食べるっす!」
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