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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


さつきの仰天お料理エピソードは止まることを知らない。

お味噌汁にお出汁を入れず、水に直接味噌を入れてそこにワカメを入れて火にかけたらどろどろの変なものになったとか、ホットケーキを作ったら真っ黒のかっちかちの物ができたとか…

苦手を通り越してる気がする。


「あの…火加減とか手順とかちゃんと守ってやってみるのってどう?」

「うん!今度からそうしてみる‼」

「ちゃんと分量も守るんだよ。本とか先生に言われた通りにやるの!黒子君と結婚したいでしょ⁉」

「うん!したい‼」


さつきを説得するには黒子君が一番

それはあたしも美緒も既に承知の上

ソファの方にみんなといる黒子君には聞こえない小声で、美緒と一緒に何とか手順通りに料理をさせようと説得した

にっこにこの笑顔で黒子君と結婚したいって言うさつきは本当に可愛い。

黒子君への愛でこのトンでもエピソードが笑いに変わる日を楽しみに、あたしたちだけで集まる日も何か1品は3人で手作りしようって事になった。


「じゃあ今日もちょっと何か一緒に作ってみる?」

「うん!」

「さつき、絶対手順を守るんだからね」

美緒に念押しされて3人でエプロンをしてキッチンに立つと、青峰君も黄瀬君も大我もぎょっとした顔をして黒子君に至っては目を逸らしてる。


「さつき、お前は何もすんな」

「桃ッち!こっちで一緒に飲も!」

「桃井、頼むから大人しくしててくれ」

「さつき…火事だけは…」


さつきのお料理苦手は結構有名らしく全員が止めるけど、もうさつきはやる気満々

苦手を克服しようとするのはいいことだし応援したい


「今日はあたしもみさきもいるから一緒にやれば大丈夫だよ」

「…では僕は消火器の係になります。黒須さん消火器はありますか?」

「あ、うん。こっちに…」


黒子君は目玉焼きボヤ事件が相当なトラウマらしく、消火器の位置を確認して使い方を何度も復唱して確認してる

「いいか桃井、料理はスカウティングに似てる。素材それぞれの特性を把握するところからだそ」

「OK‼」

「桃ッち頑張るんすよ‼」

「うん‼今日は絶対うまくいくと思うの‼」

「俺は緑間にすぐ連絡できるようにしとく。死人は出せねぇ」

「大ちゃんちょームカつく‼ガングロのくせにー」


また始まった…

「ほら、やろ」

「うん‼‼」
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