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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


さつきと黒子君は時間通りに来て、大我は一番近いのにちょっと遅刻してきた。


「悪りぃ…仕事長引いた」

「あれ、大我今日仕事なの?」

てっきり赤司さんのマンションから来たんだと思ってた。

「今度お前がやってくれる撮影のやつの取材だったんだけど、色々変更してちょっと時間食った」

「そうだったんだ」


今までは大我がこっちで過ごすときのスケジュールは全部知ってたけど、今はそうじゃなくなった

少しだけ離れた距離に寂しさを感じないわけじゃないけど、あたしと大我の絆みたいなものは変わった感じがしない。

いつも通りハグして迎え入れると青峰君がちょうどお風呂から出てきた。


「よう」

「おお」

お互いに軽く手を挙げて挨拶もすっごく軽い。




全員が揃ったところで先に乾杯をして、それぞれ飲みたいものを飲みながら買ってきてもらったものをつまんで軽くお腹を満たす。

「さつき、料理教室順調?」

「あ、それがさー‼聞いてよ‼この間ね、先生に言われたとおりに教室でやってうまくいったからお家でもやってみたの!そしたらさ…なぜか真っ黒のただの塊になっちゃった」

「何作ったの?」

なんでうまくいかないんだろう…
真っ黒の塊って…ちょっと怖いんですけど。

「ホワイトシチュー」


ねぇ…ホワイトがどうしてブラックになった?
ホワイトシチューは液体であって塊にはならないよ…

「さつき、何入れたの?」

「教わった通りに、小麦粉とバターを入れて牛乳入れて…」

材料は確かに合ってる。
しかも全部白い。

黒くなるなんて…ちょっと考えられない

「その後は?」

「でね、混ぜるの疲れちゃったし混ぜない方が早く温かくなると思って、火にかけて具を入れたの。それでちょっとテツ君に電話してたらすっごい焦げ臭くて、見たら真っ黒の塊になってた。お母さんにお鍋がダメになったって怒られたー」


だろうよ…

「あのね、さつき。弱火で混ぜるっていうのがベシャメルソースを作るときに大切なことなんだよ。牛乳ちょっとずつ入れた?」

「ううん。全部一度に入れた」

「それは無理だよ…」


さつきは結構いつも大胆だから、お料理も手順の省き方が大胆この上ない。

「しかも具だってどうせ生でしょ?」

「えーだって一緒に加熱した方が効率いいかなって…♡」


あ、うん……
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