第19章 甘い時間
しっかり鍛えられた体はほぼ皮膚が動かないけど、こんなに変わらない人って初めて見た。
「体脂肪率って4から5%くらい?」
「すげーな。大体そんくれぇ」
大我は8%くらいにしてるから横になるともう少し筋肉が動く。
大我の場合は8%にしておかないと体温が下がっちゃうからそうしてる。
「体温維持できる?」
「体温維持は全然できんだけど、やっぱスタミナは火神に敵わねぇな。俺はNBAのPFとしてはガタイよくねぇからアジリティを落としたくなくて低めに設定してる」
「凄すぎて、ほんとに尊敬します」
スタミナが無いって言ってもフル出場に耐えられるんだから決して無い訳じゃない。
確かにNBAの他の選手に比べれば体格は大きくないかもしれないけど、青峰君の体には一切無駄がない。
体のバネを余すこと無く生かせるように鍛えられてる
シェーディングの入れ方を決めてから、色を決めるために何色か合わせて少しずつ体に乗せさせてもらって、ライトの強さで少し変えられるように何色かピックアップして色合わせを終えた
「ちょっとぬるぬるして気持ち悪いかもしれないけど、クレンジングさせて」
「あぁ」
ボディ用のファンデーションは色移りを最小限にするために肌にかなり密着するようにできている
オイルのクレンジングを手に取って、塗らせてもらったところを撫でながら落としていく。
「…ッ…くすぐってぇ」
「ごめんね。すぐに終わらせるから」
手で撫でて馴染ませた後、皮膚の間に残らないように大きなブラシでくるくるするんだけどこれは結構くすぐったいと思う。
クレンジングを軽くふき取って、泡を手に取った瞬間にチャイムが鳴った。
「うそっ!もう時間?!」
「とりあえず俺が出る。その手じゃ出れねぇだろ」
青峰君だってまだ上半身は服着てないけど、あたしは泡がついててすぐには出れない。
青峰君が素早く玄関に行ってくれたお陰で待たせずに済んだけど驚いてる声が聞こえてきた。
「ちょっ…青峰っち‼‼その恰好はヤバいから‼早すぎたなら一回部屋戻るから服着て‼マジで服着て」
「うるせぇな。終わったとこだからさっさと入れ」
「おわっ…⁉終わったとこならまだみさきっちがダメじゃないっスか⁉」
え?あたし?
まぁ確かに今はダメだけど、わざわざ戻ってもらうこともない。