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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


トレーニングを終えてシャワーを済ませてから家に帰ると、まだみんなが来るまでには時間があるから寝室でメイクを練習させてもらうことにした。


「疲れてるとこごめんね。なるべく短時間で終わらせるから」

「俺は座ってるだけなんだから気にすんな」

確かにメイクをしてる時は座ってるだけかもしれないけど、触られたり塗られたりして、またシャワーに行かなきゃいけないし、仕事の時間じゃない時まで仕事のことをさせるのは少し罪悪感があった


「ありがとう。部屋の温度寒くない?」

「あぁ」

「じゃあ…上半身だけ脱いでもらってもいいかな」


いつもなら何とも思わないこの言葉も、今だけは尋常じゃない程緊張した。


躊躇することなく脱ぎ落されたTシャツの下から現れた体は、ものすごく鍛えられてた。

保湿ジェルを塗ったときは薄暗くて見えなかった細かい筋肉の線がはっきり見える。

トレーニングの後だからっていうのもあるけど、筋肉の付き方がすごくよく分かる。


「少し触らせてください」

立ってもらったまま腹直筋と腹斜筋、前鋸筋に触って筋の位置と太さを確かめいていく


「ッ…」

「くすぐったいですか?」

「…大丈夫だ」


実際のメイクは構成を見る限り結構下までやることになる。

だけど青峰君は地黒の上に外腹斜筋がものすごくくっきりと鍛えられてて、よっぽどライトが明るくない限りシェーディングの必要はない。


ベッドに寝たカットがあるけど、それが白のシーツとライトで少しぼやけそうだから、その時だけ軽く入れれば充分。
でも、陰になりやすい分シェーディングを入れすぎると不自然になる。
見せてもらっておいてよかったかも


「申し訳ないんだけど、ちょっと構成の通りにベッドに寝てもらってもいいですか?」

「あぁ」


青峰君は何もしゃべらずにあたしが言うことを普通にしてくれてるけどあたしは結構恥ずかしい。


他の撮影クルーがいれば仕事モードになれるとは思うけど、今はとにかく仕事だって自分に言い聞かせるので精一杯だった。


大我は夏はしょっちゅう上半身裸でいたから何とも思わないけど、青峰君はちゃんと服を着てる人だから明るいところでこんな風に見るのは初めてだった


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