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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


仕事の打ち合わせを終えて、近くのカフェに入ってから青峰君に連絡を入れた。

(お仕事終わったので青峰君が終わったら連絡ください)

講義したりバスケを教えるって言ってたから結構時間もかかるだろうし、長くかかるようならあたしは先に一度お家に帰ろうと思ってた。

飲み物と軽く食べられるものを買って、天気がいいからテラスの席で食べてるとスマホが震えた。


「もしもし」

「今終わった。どこにいる?」

ちょっと騒がしい電話の奥の青峰君に自分の場所を伝えて、テラスにいるって言ったら、青峰君もちょっと何か食べるからって言ってこっちに来てくれることになった。



途中まで食べちゃったけど青峰君が来るなら一緒に食べたい。


飲み物をちびちび飲んで待ってると、この間と同じように反対車線に車を止めて降りてくる青峰君が見えた。


今日は講義に行ったからスーツ姿が新鮮で、歩いてくる姿がすごくかっこいい。


モデルさんよりも高い身長と長い手足はどんな服装でも似合ってしまう。



「待たせちまって悪かったな」

「ううん。お疲れ様。どうだった?」

「結構楽しめた。若いってすげぇわ」


お店に入って注文するよりも先にあたしのところに一回来てくれるのがすごく嬉しい。


注文の為に店内に入った青峰君が時々こっちを見てくれてあたしが笑うと青峰君も笑ってくれた。



ホント…かこいい…


頼んだものを持ってテラスに来てくれたスーツの青峰君とこういう風にしてると、なんかOLさんのランチデートみたいで新鮮。


あたしの2冊目のメイクブックを出すことが正式に決まったことや青峰君の講義の話をしながら、サインを書いたキャップを上げた子に会って一緒にバスケをしてきたってことを教えてくれた。


「高校生ってすげぇ元気だわ」

「電話くれた時奥騒がしかったもんね。たくさん人いた?」

「結構いた。俺の話なんて面白くもねぇのに生徒は全員出席だったらしい」


面白くないとか面白いって事じゃない。

きっと青峰君のファンだからって人もいただろうし、青峰君を見てみたいからって人もいたと思う。


青峰君は本当に自分を完全なる一般人のような言い方をするし、どこにいても自然体だから時々あたしまでそう思わされてしまうときがある。


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