第19章 甘い時間

ヤダヤダ言ってても講義の時間は来るわけで、高校時代にバスケをしてた体育館に入ると、すげぇ熱烈な歓迎をしてくれた。

バスケの試合かっつーくれぇデカい歓声をもらった。


「あーと…こういうのすげぇ不慣れで、あんま為になるようなこと言えねぇんだけど…最初は自己紹介っつーことで、ロサンゼルスレイカーズの青峰だ」

“かっけー‼‼‼”

“キャー‼‼”

“やっぱデカ‼オーラすげぇ”

「皆さん‼‼静かに聞きましょう！青峰さんお願いします」


自己紹介しただけですげぇ盛り上がってくれて、教師がマイクで注意して若干は静まった。



「えーと、今日は将来についての話しをするってことで来させてもらったけど、俺からばっか話しても多分つまんねぇと思うし質問形式でいこうと思ってんだけど…聞きたいことあるか？」

“はーい‼‼”　“はーい”　“はーい‼”……………………


すげぇな…
こいつらもうそんな将来のこと考えてんのか？


大量に上がった手の中で一番早かった、いかにもスポーツマンって感じの男子。


「佐藤康弘です。自分は野球部なんですけど、将来はプロになりたいって思ってます。プロになるために必要なことは何ですか？」

「ブレねぇこと。目標を決めたらどんなにきつくてもしんどくても、そこにたどり着くまで諦めねぇこと。結果は努力に見合ったものしか出ねぇ」

「ありがとうございます!」


こんなでいいのか？
全然分かんねぇけど何となく頷いてる奴もいるし…


「じゃあ次」

また大量に手が挙がってまた一人選ぶ


「太田貴之です。NBAに入りたいと思ったのはいつですか？やっぱり子供のころからやってないとプロにはなれませんか？」

「俺はすげぇ小せぇ頃からバスケをしてて、NBAに行きてぇってのは小学生ぐれぇから漠然とあったけど、本気になったのは高2だった。すげぇライバルがいて、そいつを追いかける形だったけど10代なら遅せぇってことはねぇと思う。努力次第だ」



次々と繰り出される10代の質問に自分の言葉で返していく。

こいつらより大体10年は歳を食ってっから多分それなりには返せてたと思う。


「残り時間も少なくなってきましたのであと3人でお願いします」


進行をしてた教師の言葉で、思ったよりも時間が経ってることにそん時気づいた