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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


てっきり寝てんだと思った。

いつものように風呂上りに飲む俺のペリエを用意してくれてあって、寝室からは物音一つ聞こえなかった。


だからノックをしなかった。


開けた瞬間に見えた、ベッドに座るみさきの背中がすげぇ色っぽくて目が離せなくて、身動きが取れなかった


みさきも相当驚いたのか、顔だけこっちに向けて、デカい目がさらにでかくなって胸の前で手をクロスしてんのか二の腕から指先が見えてる。


「………」

「………」


来ないでって言うなら近寄らなかった。


風呂に入る前散々キスして先が欲しいと思わねぇわけじゃなかった。

だけど、みさきを怖がらせたくねぇって気持ちの方がずっとでかくてできなかった。


扉を閉めると、間接照明だけが点いた空間にみさきの細い体がくっきり浮かんで、白い背中に降りてるツヤのある髪がすげぇ綺麗で抱きしめたかった。



素早く距離を詰めてベッドに体重をかけると、やっとみさきが言葉を出した。


「や…ごめんなさいっ…」

多分今みさきは怖がってる。

謝る必要なんてねぇのに…


だけど俺も引けねぇ。

ここで引いて気まずくなりたくねぇ


入浴剤を選ぶ時と同じように後ろからそっと抱きしめて、脚の間にみさきを入れた。

震えてる



「何にもしねぇから」


体をガッチガチに緊張させてぎこちなくうなずいて、震えながらゆっくり呼吸をしてる。


ベッドに置いてある開けっぱなしの入れ物は、みさきがよく体に塗ってるクリーム。


「これ、塗ってたのか?」

「…うん。いつもより脚に塗るの時間かかっちゃって…」

「まだ全部塗れてねぇの?」

「うん。…背中だけまだなの」


それでこの格好って事か


みさきが意味もなくこんなとこでガウン崩してるなんて普通にあり得ねぇから、理由が気になってたけど今のを聞いて納得した。


ノックしなかった俺が悪い。


「寝てると思って突然開けてごめんな」

「…いいの」


全然いいって感じには聞こえねぇけど、ゆっくり話すうちに震えは治まってた


「背中自分でできんの?」

「うん。いつも自分でしてるから」


これは賭けだ。


少しだけ距離を縮めさせてもらえるか
それともまだそこまで踏み込ませてはくれねぇか



「俺にやらせてくんね?」
















「……え?」




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