• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


「その荻原君にいつか謝れたらいいね」

3年の全中の話は結構堪えた。
だけど自分たちを擁護することなく全面的に非を認めて話してくれたことがあたしは嬉しかった。

自分の行動に言い訳をしないってことも過去にしたことの非を認めるのも誰にでもできることじゃない。

ずっと言い訳して逃げ回る人だっている



「……テツが協力してくれて渡米前に荻原に会ってもらえた。謝るだけのつもりが、渡米を伝えたらめちゃくちゃ応援されてすげぇ罪悪感だった。けど、あんなことしても俺を応援してくれる荻原にNBAのコートに必ず立つって言っちまったから中途半端じゃいられなかった」


「そうだったんだ。青峰君いい子‼」


きっと青峰君だって過去を思い出すのは辛かったはずで、隠そうと思えばいくらだって隠すことはできた。

それでも話してくれてまだ少し罪悪感を感じてる顔をする青峰君をあたしは責められなかった。


確かにやったことは人として許されることじゃないかもしれない。だけどその苦悩を知らないあたしが責めたりできることでもない。

あたしは青峰大輝って人間を過去もひっくるめて好きだから
今の青峰君を作ってるのは間違いなく過去だから

どんなことでもあたしは受け入れられる


「……ガキ扱いすんなよ」

「だって青峰君がそういう顔するから」

「そういう顔ってなんだよ」

「怒られた子供みたいな顔」


きっと青峰君の言ってた後悔っていうのは荻原君のことだと思う。

だけどその教訓があるから青峰君はどんな試合でも手を抜かない。
シカゴでみた試合の時点差が開いて勝ちが決まった時ルーズになるチームメイトに“最後までしっかり走れ”って言ってたのはきっとこれがあったから。


「…そんな顔してねぇよ」

「してるの」

「…あーもう‼こっち見んな」

え、地味にショック。
でもなんかちょっとこういうの新鮮

「ヤダ。こっち向いて」







__________ちゅっ



「なっ……な…な何するの⁉」

「キス。こっち向けって言っただろ?」


言ったけど…

言ったけどさ…キスしてなんて言ってない‼
ここ外なのに‼



「顔すげぇ赤い。かわいー」

耳元でそれ言うのズルじゃん!


「ヤダっ‼‼こっち見ないで‼」


今完全にあたしのペースだったのに…
なんであっという間に変わっちゃうの⁉
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp